20回目まで進んだら、そのあとタイトルを変更して続けます。

さて、免疫療法と言えばもっとも有名なのは「丸山ワクチン」だろうか。
私が生まれた1944年丸山千里博士が皮膚結核の治療薬として開発したものであるが1956年ごろからがん細胞の増殖を抑制する効果があるとする事例があり、1966年には有効かつ安全な抗腫瘍薬であるという論文を発表した。このころからがん特効薬としてのうわさが広まっていった。そしてそれ以降40万人のがん患者が丸山ワクチンを使用したとされる。
しかしこの間一度も承認されることはなかった。すなわちがん治療薬としての効果を証明するデータが得られていないのである。その間に政治問題化される(承認で差別されているという訴え)ということもあって、自由診療として使用してもよいということになったのだ。1976年ゼリア新薬から申請されたものの、1981年不承認となり、有償治験役として患者に供給が許されるという異例の処置になったのである。
 
これって変だよね。有償治験薬としての供給期間が四半世紀に及び数十万人のデータがあるはずなのに、いまだに承認を得られるデータが得られていないということなのだ。これじゃあ私には使ってみる気は起きない。宗教を信じなさいというのとほぼ同じだ。信じる者こそ救われる??
 
さて最近話題になっているのは「光免疫療法」だ。すでに米国では一部のがんについて承認されていて、日本でも承認される日が近いという。米国の日本人研究者らが開発したもので、オバマ大統領が言及したり、楽天が製造ビジネスに投資したりと話題には事欠かない。
 
がんの種別に固有の抗体と光吸収体(色素)を結合したものを注入するとその特定のがん細胞と結合するというのだ。そして体外から近赤外線を照射するとがん細胞が膨張・破壊・壊死するというのである。ほかの細胞に影響することもなく(副作用がなく)安価な装置で短時間(日帰り)治療ができるという画期的な療法なのである。
 
しかし待てよ?どこが免疫療法だ? 話には続きがある。
破壊したがん細胞から放出された物質を近接する免疫系が異物として感知し、それまで抑制されていた「キラーT細胞」が活性化し、転移先のがん細胞に対しても免疫効果を発揮するというのだ。これが本当だったら画期的だ。まだ頭頸部がん(露出している皮膚がんの一種)への治験が行われているのみで、肺がん患者への適用のめどは立っていない。
これは面白そうだから臨床試験があるのなら手を挙げてもいいと思っている。