昨夜のNHK「総合診療医ドクターG」は興味深かった。この番組は面白いのでよく見るが今回は「ステージ4のがん宣告を受けた人」の話だったので最初から最後まで見てしまった。
「おなかが膨れて(張って)苦しい」58歳の女性が、がんの宣告を受ける。腹水がたまっていてそこに悪性腫瘍が検出されたのだ。しかしそこから話がややこしくなる。通常腹水がたまるがんは消化器や卵巣などからの転移である。しかし周辺臓器や血液などにおいてがん細胞が検出できない。転移の由来となった原発巣が見当たらない。ところが数ある抗がん剤はすべて原発巣の臓器ごとに異なる薬が使用されるのだ。抗がん剤自身にもリスクがあるため「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」というわけにはいかない。そこで複数の病院から「ステージ4で打つ手がないので余命3か月」の宣告を受けたのだ。
最後に頼られたドクターG(日医大病院腫瘍内科医師)は誤診を見抜いた。原発巣不明の腹膜のがんには卵巣がんの抗がん剤が効くという情報を誰も知らなかったことが誤診の理由だった。この患者は抗がん剤治療に続いて手術も受けて5年間異常もなく仕事をしているという。
私の場合は原発巣は肺にあって、遺伝子変異も確認され、すぐに治療法(分子標的薬)も確定したので、「余命3か月」ということはないだろう。
医師は余命のことを言わなかったし私も尋ねもしなかった。余命が古い統計に基づく情報であってあてにならないことを知っていたからだ。番組の医師も同じようなことを言っている。彼の言葉「最善を期待しつつ最悪を想定しておく」というのが私にもぴったりだと思う。1年以内に死んでも別にかまわないのでそのための準備は済ませた。あとは最善に向かっていくのみだ。
「おなかが膨れて(張って)苦しい」58歳の女性が、がんの宣告を受ける。腹水がたまっていてそこに悪性腫瘍が検出されたのだ。しかしそこから話がややこしくなる。通常腹水がたまるがんは消化器や卵巣などからの転移である。しかし周辺臓器や血液などにおいてがん細胞が検出できない。転移の由来となった原発巣が見当たらない。ところが数ある抗がん剤はすべて原発巣の臓器ごとに異なる薬が使用されるのだ。抗がん剤自身にもリスクがあるため「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」というわけにはいかない。そこで複数の病院から「ステージ4で打つ手がないので余命3か月」の宣告を受けたのだ。
最後に頼られたドクターG(日医大病院腫瘍内科医師)は誤診を見抜いた。原発巣不明の腹膜のがんには卵巣がんの抗がん剤が効くという情報を誰も知らなかったことが誤診の理由だった。この患者は抗がん剤治療に続いて手術も受けて5年間異常もなく仕事をしているという。
私の場合は原発巣は肺にあって、遺伝子変異も確認され、すぐに治療法(分子標的薬)も確定したので、「余命3か月」ということはないだろう。
医師は余命のことを言わなかったし私も尋ねもしなかった。余命が古い統計に基づく情報であってあてにならないことを知っていたからだ。番組の医師も同じようなことを言っている。彼の言葉「最善を期待しつつ最悪を想定しておく」というのが私にもぴったりだと思う。1年以内に死んでも別にかまわないのでそのための準備は済ませた。あとは最善に向かっていくのみだ。