
まだ理由が明確にされていないがアシアナ航空のエアバスA320が着陸に際して高度を下げすぎ、滑走路手前のローカライザーという設備に衝突して一部破損した機体が方向性を失って滑走路から逸脱した。
ローカライザーって何だ? 映像で見る赤色のパイプ状のものは何だろう。ローカライザーは計器着陸装置(ILS=Instrument Landing System)を構成するもので、期待の左右方向のずれを検出するものだ。進入側の反対に設置されていて、これが発する電波を航空機が受信・復調してずれを検出し滑走路のセンターに着陸できるのだ。
ILSには滑走路手前誘導灯側に設置されるグライドパスという設備があってローカライザーと同様の原理によって垂直方向のずれを検出している。そしてこのほかにマーカービーコンという設備が滑走路手前に設置されていて滑走路までの距離が分かるようになっているのだ。
実は14日の事故当日私は先島諸島(石垣島、宮古島島)に観光旅行に出かけていた。16日が宮古島観光で、1月に完成したばかりの伊良部大橋を渡って伊良部島に行った。伊良部島の西には非常に近距離に下地島がある。海で隔てられているというより川で隔てられているような近さだ。そして下地島には下地島空港があって観光コースに組み込まれている。
写真は滑走路の端っこ、誘導群と滑走路の間の道路から滑走路側を撮影したもので、この赤いものが
ローカライザーだ。よくは分からないが多数のアンテナで構成されているようだ。アンテナだから構造物(頑丈なもの)ではないはずだ。確か、事故機の映像に移っていたのは車輪の上部に巻き付いていた赤いひも状のものだった。もちろん「ひも」などではなくアンテナだ。おそらくアルミパイプでできているのだろう。テレビアンテナから想像すればよい。こんなものだからぶつかっても車輪が落ちるほどの損傷はないがエンジンカバーや尾翼の破損にはつながる。
下地島空港には両方向にILSがあるらしい。地形の関係で広島空港には不幸にも片方にしかなかった。こんな下地島空港だがこれまで訓練専門に使用され、それも完了して使う充てがない。軍用に使おうにも地元の反対があるので難しい。宝の持ち腐れと言うか・・粗大ごみになりそうだ。