谷垣さんも実は悩んでいる。

秋の自民党総裁選までに解散しないと総裁を下ろされてしまうと言われている。しかし8月までに解散総選挙を行った場合、自民党も負けるかもしれない。多分民主党も自民党も議席を減らして、総裁・代表は責任を取らねばならなくなるだろう。地域政党が躍進して、地域政党連合だけでは多数派を形成できないだろうが、地域政党に主導権を握られる可能性は大きい。だからたとえ総裁を続けられたとしても、総理になれる保証はない。結局谷垣さんは総理になる目はない・・それは谷垣さんとしては困ったことだ。

ではどうするか?

消費税増税を含む一体改革が成立したら、政局は流動化する。成立前に小沢新党などが内閣不信任案を出しても自民党が反対すれば解散総辞職にはならない。谷垣さんにしても野田さんにしても小沢新党などに主導権を握られての解散などまっぴら御免だ。谷垣さんは内閣不信任案カードを留保する。

そして国会は政治改革・行政改革の場に移る。増税の前にやるべきことはやる姿勢を示すことが次の総選挙で負けない条件になることは自民党も民主党も共通している。政治改革・行政改革はなかなかまとまらないだろう。自民・民主の合意が難しいほかに、他の政党も抵抗するからだ。国会は再び「決められない」場となって混乱する。

そこで谷垣さんは切り札(内閣不信任案)を出す。自民党以外にも小沢新党・民主党の一部も含めて過半数が賛成する。

ここで谷垣さんは不信任案採決の前に野田さんにささやく・・・「総辞職でもいいよ」と。

野田さんは一体改革が成立したのでもう総理の座にしがみつく気はない。しかしここで解散したら民主党は大敗してしまう。まだ橋下さんの人気も高い・・・。

そこで野田さんは「自民党との大連立」を画策した上で、総辞職する。「谷垣さん、組閣してください」と・・・。そして民自公連立政権の樹立だ。谷垣総理・岡田副総理かな?

「政治改革・行政改革をある程度推進したら都合のいいときに解散してもいい」というのが条件だ。そして民自公の作戦は、政治改革・行政改革でなかなか合意しようとしない野党あるいは身内の一部を「抵抗勢力」に位置づけて戦うのだ。この辺は小泉さんのやり方だね。

それまでは「解散しろ」「今はしない」と・・・芝居を続けよう・・。