放射線という場合は広義にはすべての電磁波と粒子線を含むが、狭義には原子や分子を電離するもの(電離作用)で、X(エックス)線、γ(ガンマ)線のほかα(アルファ)線、β(ベータ)線、中性子線などを指す。高周波の紫外線(地球に届く太陽光には含まれない)も電離作用を持つが放射線には含めない。
X線(30ペタヘルツ~3エクサヘルツ)は周波数や波長からγ線と区別できない(重なっている)。電波領域の電磁波は通常電界強度計つまり1mあたりの電圧(V/m)で照射された強さを測る。光の領域では照度計で測る。しかし放射線では通常(放射線による電離で発生する電流を測定する)線量計が用いられる。
つまり、同じ電磁波でも計測原理が全く異なるものである。最近(と言っても1ヶ月ほど前?)、「放射線を測定できる」という謳い文句で中国製の電磁波測定装置をオークションで売っていた男が捕まった。多くの人が「また中国のニセモノか」と思ったかもしれないが、このケースでは中国メーカに非はない。そのホームページでもはっきり「電波用」として販売しており、「放射線用」などとは決して言っていない。つまり売った奴が嘘をついただけのことだ。しかし、こんな(専門的な)ものをネットのオークションで買ってしまう消費者も困ったものだ。
最近よく聞くシーベルトとは各種放射線の人体への影響度合いを補正して計算し表示するもので単純な計器ではない。放射線防御の分野でのみ使われる。
ベクレルは1秒当たり何回放射されるかを表すもので、いわゆる放射性物質の放射能(車で言えば馬力、電気で言えば供給電力のようなもの)である。グレイというのが吸収した放射線のエネルギー総量(吸収線量)を表す単位だが、人体の場合は前述のようにこれではなくシーベルトが使われる。
放射線の人体への影響は未解明な部分が多い・・このことが不安を招く原因?
諸説ある中で「100ミリシーベルト=発癌率100人に一人増える」というのを基準に考えてみよう(100ミリシーベルト以下では何も問題は起きないという説もある)。ICRPは諸説を踏まえて「事故などによる被曝は年間1ミリシーベルトを超えてはいけない」とされた。つまり100倍の安全率によって、管理されていない一般公衆の健康を守ろうというものである。作業者が20ミリシーベルトとされていて安全率が5倍しかないのは「管理されている」ことが前提になっているからだ。年間1ミリシーベルトというのは1日約3マイクロシーベルトである。「事故などによる被曝」と言っているのはX線写真などによる被曝や日常的な微弱放射線の被曝は除いてということを意味するのであろう。
なぜなら今回の事故がある前から日本各地において1時間辺り0.1マイクロシーベルト弱が観測されている。これだけで1日2マイクロシーベルトに達してしまうからである。つまりICRPの基準は「いつもの2倍を越えて被曝しないように」という風にも解釈できるのである。実際諸々の自然被曝量を合計すると年間1.5~2ミリシーベルトはあるらしい。
だからちょっとくらい高レベルの場所に近づいても問題はない・・つまりずっと高レベルの場所にいることを避けようくらいに考えるほうがよい。神経質になっても結局はある程度の被曝は避けられず、神経質になってメンタルな病になるリスクの方が被曝による健康被害リスクより高まってしまうことになるだろう。
X線(30ペタヘルツ~3エクサヘルツ)は周波数や波長からγ線と区別できない(重なっている)。電波領域の電磁波は通常電界強度計つまり1mあたりの電圧(V/m)で照射された強さを測る。光の領域では照度計で測る。しかし放射線では通常(放射線による電離で発生する電流を測定する)線量計が用いられる。
つまり、同じ電磁波でも計測原理が全く異なるものである。最近(と言っても1ヶ月ほど前?)、「放射線を測定できる」という謳い文句で中国製の電磁波測定装置をオークションで売っていた男が捕まった。多くの人が「また中国のニセモノか」と思ったかもしれないが、このケースでは中国メーカに非はない。そのホームページでもはっきり「電波用」として販売しており、「放射線用」などとは決して言っていない。つまり売った奴が嘘をついただけのことだ。しかし、こんな(専門的な)ものをネットのオークションで買ってしまう消費者も困ったものだ。
最近よく聞くシーベルトとは各種放射線の人体への影響度合いを補正して計算し表示するもので単純な計器ではない。放射線防御の分野でのみ使われる。
ベクレルは1秒当たり何回放射されるかを表すもので、いわゆる放射性物質の放射能(車で言えば馬力、電気で言えば供給電力のようなもの)である。グレイというのが吸収した放射線のエネルギー総量(吸収線量)を表す単位だが、人体の場合は前述のようにこれではなくシーベルトが使われる。
放射線の人体への影響は未解明な部分が多い・・このことが不安を招く原因?
諸説ある中で「100ミリシーベルト=発癌率100人に一人増える」というのを基準に考えてみよう(100ミリシーベルト以下では何も問題は起きないという説もある)。ICRPは諸説を踏まえて「事故などによる被曝は年間1ミリシーベルトを超えてはいけない」とされた。つまり100倍の安全率によって、管理されていない一般公衆の健康を守ろうというものである。作業者が20ミリシーベルトとされていて安全率が5倍しかないのは「管理されている」ことが前提になっているからだ。年間1ミリシーベルトというのは1日約3マイクロシーベルトである。「事故などによる被曝」と言っているのはX線写真などによる被曝や日常的な微弱放射線の被曝は除いてということを意味するのであろう。
なぜなら今回の事故がある前から日本各地において1時間辺り0.1マイクロシーベルト弱が観測されている。これだけで1日2マイクロシーベルトに達してしまうからである。つまりICRPの基準は「いつもの2倍を越えて被曝しないように」という風にも解釈できるのである。実際諸々の自然被曝量を合計すると年間1.5~2ミリシーベルトはあるらしい。
だからちょっとくらい高レベルの場所に近づいても問題はない・・つまりずっと高レベルの場所にいることを避けようくらいに考えるほうがよい。神経質になっても結局はある程度の被曝は避けられず、神経質になってメンタルな病になるリスクの方が被曝による健康被害リスクより高まってしまうことになるだろう。