4月22日から福島第一原発周辺20km以内は従来の避難指示区域から警戒区域に変わった。従来立ち入り制限だったのが立ち入り禁止になった。場合によっては罰則も適用される。

ここの住民たちは怒っている一方で困っている。数ヶ月もずっと自宅に戻れないのでは困るからだ。

早く一時帰宅の枠組みを提示して皆さんに安心してもらう必要がある。警戒区域に指定するなら、本来は同時に枠組みを提示すべきである。

ここに立ち入ることの問題は二つ、一つ目は累積被曝量の問題であり、二つ目は水素爆発等の緊急時対応の問題であろう。

そうなのなら、この二つの問題を解決する「管理された」方法で「定期的に帰宅」することは簡単ではないか。そうしないと「管理されない」帰宅や在宅をする人が増える恐れがある。

例えば各自治体(市町村)ごとに「臨時帰宅バス」を毎日のように運用する。もちろん住民の帰宅は交代で行わないといけないので、家族全員と言うわけには行かないし、代表者でも月または週に1回など制限が加わるだろう。

帰宅者には防護服を貸与し、除染を徹底し、被曝量管理を行えばよい。地域ごとに放射線量が異なるのできめ細かく滞在時間等を管理すればよい。毎日ここで過ごすと健康に有害なレベルを超えるかもしれないというのだから、週に1回なら7倍、つきに1回なら30倍緩和できるという計算になる。

非常時の問題も帰宅者を完全管理することで回避できる。バスで送迎し、端末を持たせておいて非常事態においてはバスの駐車場所まで至急に戻らせればよい。非常事態と言っても、通常は原発で働いている人たちでもある程度の避難はできるはずだから、数Km以上離れているのなら避難の余裕はあるはずだ。

なぜこのような具体策の案を提示しないのだろうか? マスコミも一切提案めいたことを報道しようとしないように見える。今、政府を動かせるのはマスコミしかないのだから・・。

東電の社長や菅首相に「福島に泊まってみろ」などと感情的な批判をするより、「一時帰宅バスを運用しろ!」と要求するほうがいいのでは?? 

バスの運転手が確保できない?・・避難民にも結構な数の運転手がいるだろうに・・。