石原都知事がパチンコと自動販売機を「電力無駄遣いの典型」としてやり玉にあげた。両業界は反発したり、抗議したりしている。ネット上では石原都知事の勘違いを指摘する書き込みも多い。
ちょっと整理してみることにしよう。

報道によると2009年の東電管内のパチンコ屋の電力使用量は1日当たり415万KWhである(全日本遊技事業協同組合連合会の発表だから確かなのだろう)。一方、自動販売機は400万KWhである。
これを捉えて石原さんは「福島第一(470万KW)、第二原発(440万KW)の最大発電量と等しい電力を消費している」と非難したが、これは明らかに間違いである。原発のほうはKWであって、この24倍が1日あたりのKWhとなる。

そこでネットの書き込みなどでは「415万KWh(400万KWh)÷24=17.8(16,7)KWなので、せいぜい数%だ」と石原さんを非難している。

ちょっと待てよ、本当に24で割っていいのか??

1日に415万KWhという場合、営業時間で割らないといけないのではないか? 12時間営業だとすれば415÷12=34.5万KWhというほうが正しいのでは? 一方自販機は24時間稼動なので24で割ることは正しい。

それでも、それでいいのか??

2009年の平均値から計算しているよね。でも冷房をガンガンかけている真夏の消費電力は大きいだろう。世の中全体でも真夏は平均の1.5倍は使っているのだ。今頃が一番低くて3500万KW以下、真夏は5500~6000万KWくらいだから・・。つまり推定では、真昼の一番暑い時間帯におけるパチンコ屋の消費電力は34.5万KW×1.5=51.8万KWとなるのだ。福島第一の1号機は一番古くて能力が低い(46万KW)ので、「パチンコ屋のピーク消費電力は福島第一原発の1号機相当」ということになるのだ。
こうなると石原さんが間違っているにしても、パチンコ屋さんたちもあまり胸は張れないかな?

実はテレビなどでも「節電」を訴えたり「節電」方法を教えたりする「おバカな」奴らがわんさか出演しているけど、ピーク電力に着目する者はほとんどいない。今夏の電力不足を乗り切るには「単なる節電」ではなく「明るい間に電力を使わない」ことが肝心なのに。一言で言えば「昼間は扇風機でしのぎ、大型テレビなど見ない」「タイマーでできる家電使用の家事はすべて深夜にやる」・・・これが重要なのだ。