ようやく福島第一原発の低濃度汚染水の放出が終わった(今日終わる?)。

この件に関しては中国・韓国・ロシアの政府が抗議し、海水から飲料水を生成している米国の艦船が困っているという報道がなされている。そして近隣の漁民は怒り狂っている。

これには二つの問題がある。事前にきちんとした情報提供あるいは了解を得なかったという点と、汚染水を公海に放出したということである。前者は確かにそうだと思うのでここではそれ以上取り上げず、後者を取り上げる。

放出を発表した直後の報道(毎日)によれば、集中環境施設の10000トンと5,6号機の地下の水150トンの合計11500トンを放出するとされていた。この汚染水の放射能レベルは法令基準の500倍、
合計1700億ベクレルであるとされている。この数字だけを聞くとびっくりするものである。
今日の読売報道では集中環境施設の低濃度汚染水は主に津波の浸水で8500トンだとしている。

しかしちょっと待てよ。これは玉突き排水のためにやっているんだよね。つまり集中管理施設に高濃度汚染水を移送するための措置だったはずだ。

この高濃度汚染水の放射能はどうなっているのだ? 報道が少ないので確認しづらいが、前出の毎日によれば低濃度汚染水11500トンは高濃度汚染水10リットルに相当するという。すぐそばの海水での測定でも法令基準の750万倍(2日)、500万倍(4日)という具合だから、低濃度とのレベル差が知れる。

中国や韓国はどうして「だだもれ」状態の高濃度汚染水を軽視して低濃度汚染水を重視するのだろう?この高濃度汚染水の漏出は目に見えるものだけでも凄い量だった。とても10リットルなんてものじゃない。

どうしてこんなことになるのだろう。一つには政府や東電の情報提供の不十分さが原因になっているのだろう。しかし、上記情報は(数少ないが)報道から得たものである。ということは情報は出ているが報道が偏っているということにならないか? この偏った報道に漁民や近隣国が惑わされているのではないか??