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臓器移植法改正案(A案)が衆議院を通過した。これから参議院の審議と衆議院の解散を控えて波乱含みではあるが、とにかく前進した。
写真は私が10年前に作成して携行している「臓器提供意思表示カード」である。懐かしい?「厚生省」という表示も見られる。提供したい臓器に○を付けて、本人および家族(この場合は私の妻)が署名した。臓器は「すべてOK」としたいところだが、そういう項目はなく、「その他」に○を付けると具体的な臓器名を記入しなければならないので、とりあえず表記されている臓器のすべてに○を付けた。

脳死の場合と心臓死の場合で分けて書かれている。腎臓・角膜・膵臓はいわば死体からの移植も可能だが、それ以外は「ほぼ生体」からでないと移植できないからだ。そこで「脳死の判定に従い、脳死後」という条件が付いている。これは「脳死の判定をせず、ほぼ脳死(臨床的脳死)の状態で臓器を取ることを禁止」しているのだ。つまり臓器提供者が「臓器提供する場合は、脳死判定で脳死なら、死んだとみなして結構です」と宣言しているのだ。腎臓などは、脳死段階を経ないで死んだような場合、煩わしい脳死判定をしないで移植できるようになっているのだ。

カード作成後10年間ずっと財布の中に入れておいたので、ぼろぼろになってきた。よく考えたら何も財布の中に入れて携行することもなかったかなとも思う。

今回の改正案の主眼は、15歳以下の臓器提供を可能とし、本人の提供意思がなくても(拒否していなければ)家族同意で可能としたところだろうか。だからこのようなカードは不要になるのかな? 
参議院は修正も含めて審議・成立を急がねばならない。前回は郵政解散で廃案になった。臓器移植提供希望者も国際世論(移植臓器の自国調達)ももうこれ以上待ってはくれない。A案そのままかD案もしくはその周辺で議論すべきだ。それ以上の議論の拡散は「成立阻止」目的としか言いようがない。私は、よく分からないながらもD案くらいが妥当かなと思っていた。

A案は最も条件を緩くしているので、議論は「提供したくない」「脳死を死だとは思いたくない」人々への配慮に焦点が当たるべきだ。改正案(A)でも、「脳死判定を拒否」することは認められているように見える。脳死判定をしなければ(心臓死までは)死んでいるとは断定できないので、大丈夫なような気もする。小児虐待を懸念する声もあるが、司法による捜査中は証拠隠滅に当たるとして、臓器取出しを保留できるようにすればいい・・・。「とにかく反対だ」は国会ではもうやめて欲しい・・。
「成立を第一前提にどこまで少数の懸念を取り除けるか」というスタンスでの早期審議を望む。