
調べてみたところ、ウミタナゴは胎生らしいのだ。
ウミタナゴはスズキ目・ウミタナゴ科・ウミタナゴ属の魚で、本家のタナゴはコイ目・コイ科・タナゴ属の魚であってまったく別の魚ということらしい。淡水に住むタナゴに形が似ているところからウミタナゴと名づけられたらしい。しかし魚屋に並ぶのは普通ウミタナゴであって、「タナゴ」として売られているからややこしい。ウミタナゴには青みがかかったマタナゴと赤みがかかったアカタナゴがいるらしいけど、今日買ってきたのはアカタナゴのようだ。子供もそっくりの色形だ。
そして、腹を開けたところ、出てくるわ出てくるわ・・・・2匹で合計60匹以上の子供が出てきた。最初は「1匹だけなら捨てたら」と言っていた私も、「これは美味しそうだから食べよう」ということになった。親は煮魚にして子は唐揚げにして食べた。どちらも結構いける! 2匹で300円あまりだったので、なんだか儲かったような気分・・。
いやぁ、珍しいものを見ることができ、食べることができた。妻がおなかの張った立派なやつを選んだおかげだろう。
調べてみると面白いことが分かった。ウミタナゴは秋から初冬にかけて「交尾」するらしい。これも俄かには信じがたい。なぜって? おちんちんのある魚など見たことないもの・・。どうやら、オスの尾びれの一部が交接器の役割を果たすらしい。そしてメスの卵管に精子の入った袋を送り込むらしい。メスはこれを貯めておいて、12月ごろ卵が成長した頃に受精するらしい。複数のオスと交尾するらしく、そのことはDNAを調べて分かるそうだ。そしてメスのおなかの中で孵化し、晩春から初夏にかけて子供を生むのだ。今日、見た小魚は今にも泳ぎそうなしっかりした形だったので、ちょうど生まれる直前だったらしい。つまりタイミングがばっちり合わないとお目にかかれないわけだ。
昔は多産であることから安産を願う妊婦に食べさせたという一方、尾のほうから生まれることから「逆子」だと嫌った地方もあるらしい・・。
カサゴやメバルも胎生だと言うのだけど、見たことないなぁ・・。