
黄熱病は英語でもそのままYellow Feverと言い、蚊(ネッタイシマカ)を媒介して伝染するウイルス性の感染症だ。アフリカや中南米などの熱帯地方では依然として患者発生が続いている。
発熱や肝障害に伴う黄疸が見られることから黄熱病と言うらしい。感染しても軽症でよく分からないこともあるようだが、発症して重症化するとかなり高い確率で死亡する。治療法が確立されておらず対症療法しかないからだ。したがってワクチンの接種が最大の予防策であり、蚊に刺されないようにする(防虫スプレー、携帯蚊取り・・場合によって宿泊時の室内用蚊取り)ことが次善の策である。
私はすべての対策を講じて臨んだ。今回の3カ国は予防接種を入国時の条件にはしていないが・・。横浜の検疫所に予約を入れて出かけたところ、結構大勢の人が来ているので驚いた。船旅の人で「南米は寄港するだけで上陸しないんですけどね」という人もいた。寄港すれば蚊は飛んで来るし、居心地のいい船に住み着くかもしれないからね・・。また、アフリカ黒人らしき人も来ていた。現地人だからと言って免疫があるわけではないもんね・・。永久に免疫ができるらしいという説もあるが、証明書の有効期限は10年なので、10年過ぎて特定の国に行こうとするともう一度接種が必要かもしれない。写真はイエローカードと呼ばれる予防接種国際証明書だ。
我が家にあった電気蚊取り器はAC100V用だったので室内用と携帯用を買った。ドラッグストアに行っても季節はずれのせいかほとんど品揃えがなかったので、そこでは防虫スプレーのみ購入して、蚊取り器は通販で購入した。なお、スプレーはガス式だと飛行機に乗せられないので、ポンプ式がよい。
なお、現地ではほとんど蚊には遭遇しなかった。しかしマチュピチュで何かに刺された。多分ブヨらしい。ズボンの下、さらに靴下の下が痒いので刺された跡に気づいた。手と腕、首など露出している部分だけにスプレーしていたのは甘かったか・・・。黄熱病は大丈夫か?って・・。黄熱病なら3,4日で症状が出るらしいし、予防接種しているから大丈夫!
さて黄熱病のワクチンと言えば野口英世が有名である。野口は1910年代に黄熱病が流行していたエクアドルに派遣され、病原菌の発見およびワクチンの開発を行った。当時パナマ運河が開通しており、そこを通過する各国の船員たちに感染する恐れがあり急を要していた。野口ワクチンの開発により南米の黄熱病流行は収束したと言われる。彼はペルーでもほかの風土病の病原体を発見している。その後、アフリカの黄熱病には野口ワクチンが効かないという指摘があり、ガーナに出かけて研究を始めたが、黄熱病に感染してしまい51歳の生涯を閉じた。死の床で彼は「私には分からない」とつぶやいたそうである・・。
10年以内にアフリカに行こう!