あのときはゴメン


でも
 

君といたあの時
 

どうしても踊りたくなったんだ
 

踊れもしないのに
 

笑っちゃうよね
 

だから
 

周りのみんなは笑っていた
 

全部僕の責任だ
 

君は何も悪くない
 

でも聞いてくれ
 

君に恥をかかせようとしたわけじゃない
 

ただ
 

あの時は本当に君と一緒にいられることが
 

うれしくて
 

うれしくて
 

仕方がなかったんだ
 

あの時のお詫びに
 

この花束を受け取ってほしい




花束を君になんて
 

何をいまさらだと思うだろう
 

今まで何も見ていなかった
 

見ようとしていなかったのかもしれない
 

それは
 

何も思っていなかったのも同じだと
 

今になって思う
 

下手な言いつくろいならいくらでもある
 

仕事が忙しかった
 

一緒にいることに安心しきっていた
 

でもそれもこれもみんな
 

理由にもならない愚かな言い訳だ
 

君がいることが
 

君が側にいてくれていることが
 

当たり前だと思ってしまっていた
 

もしまだ間に合うのなら
 

この花束を受け取ってほしい




やっとあなたは戻ってきた
 

でも
 

こんな姿になって
 

戻ってくるなんて思わなかった
 

いえ
 

絶対ないとは思ってはいなかったわ
 

それを口にすると
 

本当になるのではないかと
 

たまらなく不安で
 

とても不安で仕方なかったけど
 

だから
 

無事に帰ってくることだけを毎日祈っていた
 

やっとあなたは私のもとに帰ってきてくれた
 

できたら
 

あなたをもう一度
 

この腕で抱きしめたかった
 

今はせめて墓標に
 

この花束を
 

「おかえりなさい、あなた」