玄関先で揺れる灯明が

こっちだよと

帰る家に導き

待っていたというように静かに揺れている

さっき打った水が乾きはじめるころ

少し離れた縁側から風鈴の音が聞こえ

立ち上る煙が一揺れ

ただいまと一揺れ



話し足りない時間がせわしく過ぎていく

わずかご滞在では

尽きぬ話は終わらない

蝋燭のように短くなる時間

止まらぬ時間が急かすように

風が風鈴を鳴らし

また来年と

灰だけを残して

灯明が燃え尽き...