独り歩きの寒い夜
 

心配顔のお月様が
 

見守ってくれていたのに


降りだした粉雪がその月を隠し
 

風を相手に踊り出す
 

襟元で恐る恐るイタズラをして消えていく


静かな
 

こんな静かな夜は
 

雪が降る音まで聞こえてきそう



 

恥ずかしがり屋の影は
 

街灯の光に隠れて
 

足元にまとわりつく


そんな影を冷やかすように
 

雪は転がり走っていく


静かに降る雪の
 

その音が聞こえるくらいに
 

静かな夜は
 

凍える肩を雪だけが
 

静かにそっと包み込む




やがて
 

降りしきる雪
 

遠い街


降りしきる雪
 

遠い灯


降りしきる雪
 

遠い声


降りしきる雪
 

遠い温もり


降りしきる雪
 

遠いあなた


降りしきる雪



降りしきる雪