駅の改札を出て
 

イルミネーションで浮かれた街の装いを横目に
 

背中を丸めて急ぐ足
 

誰が待っているわけでもない家は
 

今日も暗がりの中にたたずんでいるだろう
 

来た道も行く道も冷え切ってはいても
 

他人行儀なイルミネーションが途切れたこのあたりまで来れば
 

街のざわめきも追ってはこなくなる
 

会いたい人も
 

会いたいと思ってくれる人もいない帰り道
 

ビルの間から不意に現れる月だけが
 

凍えた肩をそっと静かに抱きしめてくれる
 

いつまでも見守っていてくれる