降る雨は変わらずとも
同じ雨粒はない
降る雨は揺れ動き
雨筋は風次第
風が惑わす雨足を
避ける術を持ってしても濡れ鼠
かのように
人の愚かさも変わらず仕舞い
されど
雨はやがてあがってしまう
照る月は変わらずとも
眺める人の心を写し
邪な影を映し取る
僅かな隙を狙って忍び込み
寝首を掻くか
足下すくい
裏切り顔が仮面の下でほくそ笑む
かのように
人の狡さも変わらず仕舞い
月は満ち欠けを繰り返す
上る陽は変わらずとも
隠されていた影が姿を現し
己が身を形作る
躊躇うことがない光の線は帯となり
屈折は連なりとなる
見誤らせることなく
密かな嘘さえ露わにし
誰のでもない
自分の心は誤魔化せず
かのように
人の醜さも変わらず仕舞い
闇は足元から忍び寄る
沈む夕日は変わらずとも
昨日と変わらぬ日を憂い
足踏みの音は耳鳴りとなり
頭の奥で谺する
明日へ漕ぎ出す船はなく
暮れる途方に身をよじる
かのように
人の悲しみも変わらず仕舞い
されど
沈んだ太陽はやがて上り始める