月明けの夜が沈む時


それを合図に泥を飲め
 

清濁合わせた泥を飲め
 

闇夜のカラスが勧めるままに
 

寸分違わず飲み干せば
 

今宵限りは認めてやろう


 

浮世の情は美味かろう
 

取り繕いが身を覆い
 

上辺の笑みが引きつる前に
 

死に装束に身を固め
 

言いなり小僧の影を踏め
 

駄賃をねだる手は払え



月影の陰りのその隙に
 

正気の面を映すなら
 

這い出る修羅の果てなるを
 

見るともなしに
 

先行く悔いの正体が
 

隠したはずの裾を出す



騙した何のと難癖を
 

言い募っても
 

夜の消し炭
 

嘘は言わぬ代わりに
 

現の咎がことさらに
 

その聞いた気の口を慎め