かの砂漠にも
どの海原にも
奥深い森にも
地を裂くような大河にも
大樹の周りにも
空をつく峰にさえ
民はいる
風に
雨に
星に
月に
太陽に
畏敬におののきながらも崇めつつ
祈りを捧げ
濃密な空気を作り上げていく
織りなされる空気にくるまれて
民は生まれ
民は生き
歌い踊り酔い
そして
死んでいく
ある時は
言いようのない力にねじ伏せられようと
ある時は
嵐に見舞われようと
またある時は
時代に否応もなく引き裂かれようと
生き継いでいく
残される者には
もれ忘れることなく
知恵を
教えを
戒めを
掟を
ルーツを
引き渡して還っていく
されど
民を棄てた人々は
アスファルトとコンクリートの中に逃れ
空さえも閉じこんで
臆病にも
怯えて生きていく
時として
言い得ぬ力がこじ開けようとする
棄てたことを思い出させるように
咎を償わせるように
己が何者でもないのを忘れさせないように
また時に
我が者を許さぬように
誰が主が思い知らせるように