「おい」と言えば、
「はい」と答える
「たまには」と言われれば、
「あぁ」と答える
少し薄めなのがおまえは好きで
私は苦いくらいが丁度いい
おまえのつむじが曲がったときは
幾度も入れ直しては機嫌を取り
子どもたちの節目には
新しいのを買ってきて
子どもたちがいなくなった今の静けさにも
相変わらずの香りが漂い
たまの電話で
はしゃぐ孫の声を聞いた後では必ず
嬉しそうに入れに立つ
読みかけの本を置き
「なぁ」
編み物の手を止めて
「はい」
「そろそろお社の櫻、見頃じゃないか」
「そうですね」
毎年のような会話
2杯目を少し残し
杖と互いを頼りにしながらの足取りで
春の風を受け
ゆっくりと
二人して