須永辰緒(Tatsuo Sunaga)

という表記を使うことが多々あります。

これは、
基本的にはスナガで完結できるDJ仕事、現場での
プレイやMIX CD、コンパイルなどの編集作業、
連載執筆や講師などの仕事がここに当てはまります。

一方で

Sunaga t experience

という名義があります。

こちらは制作に関する仕事に関して主に使います。
生演奏を多用する制作が多いのでそこに関わるのは
ミュージシャンやプログラマー、エンジニアなど
びっくりするほど大人数が主要メンバーです。
便宜上、リーダーということでSunaga t が冠に
なっていて、さらにはもっともらしくexperience
が加わってSunaga t experienceということに
落ち着いたのは制作を始めた20年前に遡ります。

でも本当は、
歌舞伎町学園天国。でもゲメラルダル星人でも、
名義は何でも構わないと思ってます。
ただ『歌舞伎町学園天国。』だと
来る仕事も来なくなる恐れがありますわな(*´Д`)
Gregory Porter/1960 What?(歌舞伎町学園天国。Remix)
…買いますか?

いま売り出し中のDJセックス山口くんを知った時に
随分思い切った名前にしたもんだなぁと思いました
が、彼は単体のDJだからそれはそれでアリです。
しかしSTEの場合、変な名前にした場合メンバーに
どう説明したらいいものやら。中にはお子さんも
いるミュージシャンの方もいるでしょう?

「お父さん、今日は何のお仕事をしてきたの?」
「歌舞伎町学園天国。…の録音(,_,*)」
「若い子が好きなの?歌舞伎町は危ないよ」

…あらぬ心配をかけてしまいます。

そんな便宜上で制作全て一切Sunaga t experience
とさせて頂いてます。中田ヤスタカくんと違って
自分ひとりでは完結できないので、そのプロダクト
に関わったメンバー全員でSunaga t experienceと
名乗っているわけです。

そういったわけでプロダクト毎にメンバーも変わります。
バンマス的なセンター制を取っているので、そういった
意味ではAKB45をかなり先取りしていたかもしれません
Zzz…(*´?`*)。o○

今回のプロダクト「犬神ジャズep」では自分の信頼する
ミュージシャンに集まって頂きました。実は正月早々
のレコーディングだったのですよ。

(サックス/編曲/アレンジ/バンマス)
藤田淳之介くん

もう長い付き合いになってきたTRI4THの中心メンバー。
マルチサックスプレイヤーでフルートも吹くし、デモも
リズムの打ち込みからピアノ、ベースのフレーズまで
何となく下地が見えるまで作ってきます。
「この曲を作る」
「こういったアレンジで」
「リズムはこうで」
「決めはこうで」
「構成はこうする」
「ソロは誰がどこを取る」
そんな打ち合わせだけで何となくデモを作ってきます。

「  」書きはオレからのリクエストなので、言って
みたらオレの役目は佐村河内氏以下です。少なくとも
佐村河内さんは具体的なメモは残してた。


今まで200曲以上作ってきましたが、実はオレが作曲者
として登録している曲はびっくりするほど少ないです。
JASRACにも加盟していますし、各レコード会社から
出版に関する支払いの明細書なども送られてきますが
半期で大抵¥800くらいです。あはは。

オリジナルソングに関して、作曲者が別に居る場合は
きちんと登録していますので、みんな公平に分配されて
いる筈です。そういった意味でSTEはバンドっぽい部分
もあります。今回はカヴァー曲なのでこういったケース
には該当しませんが。

とにかく、藤田くんはアレンジ能力、律儀できちんとした
性格(譜面が綺麗)演奏力と、どれをとってもいまのSTE
には欠かせないメンバーのひとりです。

(トランペット)
織田祐亮くん

若手ですが高い演奏技術を持ってます。ハイノートとか
吹かせると真っ赤な顔になって茹でダコのようになります。
面白いから次回作はサルサにしようかと思案中。
ご両親からよく野菜を頂きます(←無関係情報)
ライブパフォーマンスが格好良いのでぜひTRI4THのライブ
に足を運んで下さい。ちなみに織田くんはライブでは
和服を着ていますが、あれはオレのアイディアです。

TRI4THのHPを見ると
最近のSunaga t experienceワークスはTRI4THの別働隊と
言ってもいいくらい貴重な仕事をしてくれています。

(ピアノ)
竹内大輔くん

TRI4THには遅れてメンバー入りした新鋭のピアニスト。
若いのにイディオムというか、老練か!っていうフレーズ
のレパートリーを沢山持っています。何よりも正確で
理解力も早い。クラシック出身なのでそういった経験は
クラブジャズ系のループ感覚にはすごく大事な要素。
ソロの善し悪しのジャッジもさっぱりとしていて、
ジャズマンによくありがちな「もう一回!」コールが
少ないので、それはそれで好感が持てます。若手のホープ。

(ドラム)
藤井摂さん

15年近く前からSTEに力を貸して頂いています。
数多くのセッションやレコーディング、バンドなど
幅広く活動を広げており、この業界では知らぬ人がいない
凄腕ドラマー。STEの制作では実はリズム設定、ドラムや
打楽器を最も重要視していますが、そのリクエストに
ことごとく応えてくれる多彩な技を持っています。
勝手ながらハードバップ・ドラマーのイメージがありますが
実は何でもこなす器用なタイプのミュージシャンだとも
思います。何かと未熟なオレを窘めつつ、色んなアイディア
をくれるのも摂さん。今回のアフロティックなリズム設定
も、簡単なイメージを伝えただけでもの凄く難易度の高い
フレーズを作ってくれました。

(ベース)
西嶋徹くん

JAZZTRONIKの初期メンバーだったころからの付き合いで、
さらには初期STEではほとんどのベースを弾いてくれて
いました。『クローカ』に「Times24 by Starlight」という、
ウッドベースソロのイントロから始まる曲がありますが、
あの曲なんか、ほとんど丸投げ。(・_・;)
「ちょっとフレーズを弾いてみてよ」
というリクエストを投げたうえで1曲組み上げました。そんな
無茶なリクエストにも笑って応えてくれる心優しい男です。
そういえばあの曲のシンセは野崎くんだったから、ほとんど
ジャズトロですな。
その後も西嶋くんのバンドの選曲のお手伝いをしたり、たまに
レコーディングをお願いしたり(西嶋くんは今や超売れっ子
なのでスケジュールを取るのが難しいのです)と縁が続いて
ます。オレも元ベーシストなので分かりますが、西嶋くんの
凄いところはピッチが完璧なところ。ベースのピッチは他の
メンバーの乗りとか演奏とかを左右する重要な要素です。
今回は思い入れのある曲だったので、実は西嶋くんの
スケジュールを最優先しました。

(レコーディングエンジニア&MIX)
速水直樹さん

元、湾岸音響のメインレコーディングエンジニアの方。TRI4TH
やクオシモードなども手がけられていて、そういったジャズへの
造詣も深い。今回もMIX~マスタリングに至るまでおつきあい
頂きました。
エンジニアの技術云々を語るのはおこがましいですが、録音技術
や、例えばマイクの立て方でアウトプットが全く変わってきます。
今回は深溝のディープグルーヴのアナログを想定していたので、
アナログ用マスタリングでも色んな技術を駆使してもらいました。
速水さん。金はないので酒で返します!


以上は今回のSunaga t experienceのメンバーでしたが、次回は
また違うメンバーになるかもしれません。太宰百合さん(p)、
竹中俊二さん(g)早川哲也さん(b)岡部洋一さん(per)
佐々木史郎さん(tp)ユッカ•エスコラ(tp)等々、最優秀な
ジャズミュージシャンの方々との録音は、やはり最優秀なDJとの
交流も含め全てSTEの音楽の素養になっています。

有り難いことです。

あ、そうこうしている間に「犬神ジャズepアナログ・メソッド
が90%を超えた。