先日のVISIONは大変ありがとうございました。
まだ余韻に浸ってます。
今年の正月が5月の宮古島なら「moderno」は
大晦日。

一年があっという間に終わってしまったわけです。
暦上の今年の残りは余韻とチャリティと抗議で
過ごします(^ー^)ノ

さて、今週は
「サヴェ手ぇのおn」
英数に変換しなかったら、意外な面白さだった
のでそのままにしてますが、本来はこちらです。
『SAVE THE NOON』

大阪ミナミでの一騒動が飛び火したのが原因で
大阪のアンダーグラウンドを守り続けて来た
老舗まで「風営法」の法律のもとに一時閉店を
余儀なくされてしまいました。
おそらく何かの大きな動きがない限りあの空間
のあの圧倒的なカタルシスを大阪で得ることは
難しいでしょう。

しかしNOONにはDAWN時代から見守ってくれた
スタッフやオーガナイザー、お客さんとの絆が
あります。それが今回こういう’イベント’として
形になったのだと思います。
豪華出演陣!…
ままま、豪華出演陣には違いないんですが
そもそもみんな全員が最初から豪華だったわけでは
ないですよね。NOONに育てられ、お客さんに育てられ
パブリシティを獲得したバンドやDJがその恩返し
の意味でイベントに参加するんだと理解してます。

そして問題の風営法に対するアンチも含んでる
んだと思います。

クラブ?夜遊び?DJ?
そんなことは知ったこっちゃないよ。法律を守れ。

という人もいるでしょう。

そういう人はどうか足を引っ張らず黙っていて欲しい。
君たちにはどうせ関係ないんだから分かったような事を
言わずに黙ってろ。もしくはオレの現場に来てオレに
直接文句を言え。そうしたら少しだけ話を聞いてやる。


ここにきて突如に風営法がクローズアップされたのには
たぶんいくつかの原因があります。

大阪ミナミでの話は関係者などから聞き取りをしました
本来はクラブに出入りできない年齢の層が多いそのクラブ、
はい。まずそこが間違ってる。80年代や90年代の黎明期
ならまだしも、クラブシーンがここまで市民権を経て
しまった以上、そこはクラブ側できちんとしとこう。
市民権を経て、というのはその昔のクラブのイメージ
”ピカレスク色”
が薄れて、夜の遊び場としても安全なものになったという
ことを意味します。(ちょっと残念だけど)
その時点で最低限度の”言わずもがな”のルールは守らなければ
ならなかった。商店会からの苦情や警察からの勧告も何度
も無視し、ついにおこるべくして起こってしまった事件に
警察も腰を上げざるを得なかったのでしょう。
加えてバカ芸能人連中のせいで「クラブはドラッグの巣窟」
のようなイメージがついてしまったこと。これは偏った
メディア報道にも問題があるんだけど、でもこれは問題。
そこも解決しないと一方的に風営法なナンセンスと言えない
雰囲気はあるな。

さらには地域住民や近隣からの苦情があります。

これは全く無視できないと思って下さい。無視したり反抗
したりできません。その住民や近隣といっても実は少数です。
つまり強力なクレーマーに近いと思います。しかし”市民”
なのは間違いないので苦情を受けた警察は動きます。

その苦情はおそらく毎日来ます。
その度に警察も来ます。

そのクレーマーに近い苦情はその通報者本人と和解しない限り
ずっと続きます。一方で警察もそれはそういった事情である
ことは察しますが、それでも一応仕事なので形通りの注意
などの為に来ます。

現在の渋谷宇田川町はあの狭い路地に色んな店がひしめき合って
百花繚乱な夜が跋扈してますが、オルガンバーがオープンした
当時は夜に音を出す店は一軒もありませんでした。そこの
ボロビルに作っちゃったもんだからオープンからしばらくは
毎日が苦情の処理でした。防音しても全然ダメ。許してくれない。
そのうちに警察や何故か保健所まで来ましたが事情を説明し
また「ラウンジ」ということを理解してもらったり、最終的には
社長が、苦情を寄せる近隣の方々の家を廻ったものです。

幸い宇田川町には悪質なクレーマーに近い方は居なかったし、
むしろ理解のある方が多かったので対話によって解決しました。

宇田川町はそういう意味でラッキーだったけど、例えそれが
西日本を代表する商業地区とはいえ、高校生が泥酔して街を
ふらふらしているのを商店会が見逃す訳にはいかないですよ。
しかも場所も特定されて、それがクラブだとしたら。


さて、一方でよく聴く
「じゃ、パチンコはどうなんだ。あれはギャンブルじゃないか」
「カラオケはどうだ。青少年犯罪の温床じゃないか」
等々ですが、すごーく長くなるのでこれは一冊の本を読んで
下さい。但しオレ自身の穿った見方かもしれないので面倒
でしたら読まなかったことにして下さい。

ヤクザに弁当売ったら犯罪か?」宮崎学著(ちくま新書)

暴力団排除条例の矛盾点や利権(暴排利権)の真相を探って
ます。これはいま風営法がおかれている現状と酷く似通って
いて非常に勉強になりました。
グレイゾーン、例えばDeNAなどのネットビジネスもそうですが
始めはあやしげなものでも巨大化すると警察の行政指導が
入り、さらには会社自体も自浄化が働きグレーゾーンを
払拭しなければいけません。
そこに警察利権が派生するわけです。パチンコにはパチンコ
の利権があります。ちょっとうさんくさいですけどこちらを参考に。
パチンコなどは戦後ずーっとヤクザの猟場だったのですね。
ヤクザから取りあげてそれを警察のものにしてしまっている
という簡単な見方はできます。

さらには以前は組織の中では低く見られていた通称マル暴
(組対4課)が続々と利権を獲得することによって地位が
上がり、それに対しての生活保安部のジェラシーがある、
ということにも上記の著作は言及しています。
生活安全部は風営法に照らし合わせて市民の安全を守る
部署なのは言うまでもありません。

以上、穿った見方でした。
ただでさえデモで公安に写真を撮られまくっているのに
これ以上は言えないですよw



但し風営法ダンス規制法について現状言えることは

反省すべきところは反省し、歩み寄り共生できるように
みんなで努力すること。

それがいまのところ出来る唯一の事だと思います。
その中には法律を遵守し、その中で知恵を働かせしかし一方
では新しい「動き」にも対応できるよう準備すること。
詳しくは言えませんが、そんなふうに思ってます。