
昨日、初めて石巻に入った。
津波の被災地に着く直前まで、惨状はわからない。
川や道を境に、突然現れた風景。
目的地のT商店に着き、魚の加工工場内の、床に残ったヘドロの掻き出し作業。
「臭いはハンパじゃないよ」とあらかじめ言われ、覚悟して工場内に入ったが、臭いのはその通りだったものの、我慢できなかったり具合が悪くなるほどではなかった。防塵マスクをしてはいたが。
さつま揚げや竹輪に加工する機械、機械と機械の間で、立ってスコップでヘドロをすくえるところもあるが、膝をついてゴム手袋をはめた手で、手のひらで水をすくうように、ヘドロを一杯ずつすくうしかない場所もあった。
午前2時間、午後2時間、終わりは、ドロドロになったカッパを、満潮で道路まで溢れ出した海水をかけて、カッパを着たまま洗った。
今日は2日目の作業に向かう車中。
途中で虹を見た。
頑張っても頑張っても、そう簡単に復旧、復興できない現実を見た。体験した。
これがマラソンならば、スタート直後、全力疾走で目立っても、ゴールまでそのスピードでは走り切れない。
歩いても休んでも寝ても、少しずつ誰もがそれぞれの、とりあえずのゴールに向かっていけばいい。
沿道から声を掛ける人もいるだろうが、それは訳のわからないヤジでないことを願う。
言いたいことが収まらないなら、どうか一緒に走りながら言ってくれ、と思う。
走れない人は、黙る必要は無い。そして、見守る勇気、優しさを持ち続けてほしい。
生きている僕らは、生き続けよう。