春の夜

唇噛みしめ、歩く街灯下。

あの日の傷が癒えなくて

泣いた所で何も変わらなくて

強く噛みしめた唇は、ハッキリと形が残っていたね



あれから幾つの時を数えたのかな?

少し大きくなったその背中は、あの日よりたくましく見えた。
深緑の道を歩む。
その体に、沢山の生命の息吹を吸って。

そして実感するのだろぅ。
ボクは今日もちゃんと生きていると。

あの頃の自分に、もう戻ることはないと思ってた。
あの暗闇に行くことはないと信じてた。


なのに、突然開いた暗闇に飲み込まれた今の自分は正にあの頃と同じ。
日々、無性に苛ついて、抜け出せずにすねて。

ワケわかんなくなってきた。