円盤の中には、長い通路が曲がりくねっていた。直径10メートルの円盤の中に、こんな長い通路や広いスペースをどうやって確保できるのか?
しかし犬であるエドは、そんな不思議な力をも恐れることはない。通路を駆け抜けながら、次々と現れる異星人と対峙し、撃たれては俊敏にかわし、喉もとへ牙の一撃を加えて倒す。
いつ果てるとも思えない戦いで、さしものエドも疲労し、体じゅうに傷を負い、牙は数本折れていた。
小夜!どこだ小夜!
エド!ここよエド!
エドの叫びが呼びかけ、どこからか小夜の声が応える。
銀色の異星人が奇妙な声を上げて襲い掛かる。
それをまた倒す。激痛をともなうイヤな感触があごに訪れ、また1本歯が抜け飛んだ。なんと硬い材質でできたコスチュームだろうか!エドの口の端から、血のよだれが糸を引いた。
小夜!
エド!
呼び合いながら走り、エドは広い船室のような部屋へ出た。
銀色の人影が群がってくる。
その隙間から…
「エド!」
ついに小夜の懐かしい顔を見つけた!
駆け寄ろうとするエドに向かって、数条の死の光が注ぎ込まれた。
小夜の悲鳴が、空気を裂くように響いた。
(7へ続く)