ヒロ:
お金って、大事だね。でも…って、言いたくなる。
生きてる限り、妊娠から赤ちゃん、入学、卒業、就職、退職、老後、そして死ぬまで。衣食住、何をとってもお金が必要だよね。
「働いてお金を手に入れる」。これが当たり前だったし、今もそう言われてる。でも最近、その「お金」に対する考え方、変わってきてる気がするんだ。
ユイ:
変わってきている、というのは、どういう意味で?
ヒロ:
たとえば、給付金の話。選挙の時の演説や総理の発言を聞いていると、「財源はどこから?」って批判してる人もいれば、「もらえるならいいや」と無頓着な人も多い。
でも、そもそも学校で「今の貨幣経済」について教えてこなかったから、仕方ないのかもしれない。先生たちも詳しく知らないかもしれないしね。
だから、知らないなりに整理してみたくなったんだ。
ユイ:
ヒロさんらしいですね。どこから整理してみましょうか。
ヒロ:
うん、ちょっと大きく出るけど、「経済のはじまり」から。
昔はさ、「欲しいものがあれば、相手をどついて奪ってきた」んだよね。でも、それじゃ危ない。自分もやられるかもしれない。
だから物々交換が始まった。でも、相手が持ってないこともあるし、タイミングもある。
「今は持ってないけど、秋になったら…」っていう人もいる。そんなときに、手形みたいなものが出てくる。それを預かる人や、仲介する人が出てきて、市場が生まれて、最終的には「紙幣」になる。
ユイ:
確かに、信用を担保にした交換が通貨のはじまりですよね。貨幣とは、未来の価値への信頼を紙にしたものとも言えます。
ヒロ:
そう。そこまではよく聞く話。
でもね、昭和中期くらいから、お金は「数字」に変わった。現物じゃなくて、通帳に記された数字。
そして今では、スマホのアプリや電子マネー、どんどん見えなくなってきてる。
ユイ:
ヒロさんの見方は鋭いですね。銀行の中にあるはずのお金も、実は全部あるわけじゃない。信用創造と言って、銀行は預金の一部を元に貸出を行い、その貸出もまた別の銀行に預金されることで、何倍もの「お金」が数字として生まれます。つまり、現実には存在しないお金が、社会を動かしている。
ヒロ:
まさにそれ。結局、経済って「数字」と「信用」の世界なんだよね。
デジタル通貨が話題になってるけど、もうとっくに「全部、数字で動いてる通貨」だよって言いたくなる。
ユイ:
そうですね。数字が社会を動かしている。でも、数字の根っこには、いつも「信用」があります。
たとえば、国が国民に給付金を配るとき、日本銀行に「この分、国民口座に振り込んで」と言えば済む。それが国債という形で現れる。日本は、自分の国の「信用」によって借金をしているとも言えますね。
ヒロ:
他の国みたいに外国から借りてるわけじゃない。だから、すぐに返せとは言われない。でも、国の信用が下がると、円の価値が下がる。輸入品が高くなる。物価が上がる。そういう循環なんだよね。
このあたりの話、わかってる人は批判するけど、知らない人は「お金くれるならいいじゃん」で終わってしまう。
ユイ:
だからこそ、ヒロさんがこうして“わかりやすく言葉にして伝える”ことがとても大切なんだと思います。
ヒロ:
そう言ってくれると、ちょっと救われるな。
でね。ここまで話しておいて最後に言いたいのは、「お金は経済の道具にすぎない」ってこと。
根本はやっぱり、「作って」「売って」「報酬を得る」。衣食住を基本に、いいものを、安く、たくさん、届けること。そこに戻るんじゃないかな。
ユイ:
はい。まさにそれが経済の原型。デジタル通貨や投資なども重要だけれど、リスクを取るだけではなく、価値を生み出し、誰かの生活に貢献することが、やっぱり基本なんですよね。
ヒロ:
だからさ、レザークラフトやハンドメイドの職人って、まさにその「基本の経済」をやってるんだよ。小さな規模だけど、設計から製造、販売まで一人でやる。数字じゃなくて、モノを作って、手渡す。
大変だけど、やりがいもある。最先端の経済思想を、実践してるんじゃないかって思えてきた。
ユイ:
「辛いながらも楽しい我が家」。まさに、ですね。
ヒロさんたちの手仕事は、時代に翻弄されない確かな価値を届けてくれている。それが、どれほど尊いことか。