今年読んで紹介できていない本たち(ノンフィクション編) | 砂場

砂場

本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

読んだけどまったくオススメできない本は封印して、興味がある人が読めば楽しめる本について短く紹介。

セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 (ソフトバンク新書)
前島 賢
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 36913

セカイ系という言葉がどのように使われてきたのか。その意味の変遷を辿ることによって日本のオタク文化の流れを解読していく。セカイ系という言葉をあちこちで聞いていたが、僕の守備範囲外だから特に深入りしなかった。だが、最近読んだ本のなかで村上春樹や舞城王太郎をセカイ系として語っているものを発見。自分の好きな小説を語っている言葉が理解できないというのは、とてもくやしいので勉強のために読む。セカイ系を含むオタク文化の見通しがかなりよくなった。

どんなクレームもゼッタイ解決できる本
津田 卓也
あさ出版
売り上げランキング: 114497

ちょっと色々あってクレーム関連の本を何冊か読んだが、これが一番役に立ちそうだった。悪意のあるクレーマー、特殊クレーマー(ストーカーなど)に対する対処法などとても実践的だ。

家族の痕跡 いちばん最後に残るもの (ちくま文庫)
斎藤 環
筑摩書房
売り上げランキング: 39057

「家族」をテーマとしたエッセイ集。といっても精神科医の著者だけに、とても専門的な視点によって現代社会における家族の意味を問い直していく硬派な内容だ。精神医学に留まらず哲学・心理学などの学問的視点と、臨床現場で関わってきた経験と知識、さらには漫画や小説の中で描かれる家族像が示唆するものまで、様々な角度から家族について考えていく。

便利であって不便。親密にして疎遠。多様にして単純。単純にして複雑。深淵に通づる浅瀬。個別にして普遍。はかなくも不滅。神聖かつ下品。病の元凶にして癒しの器。人は家族のもとで成長し、家族のもとで退行する。人は家族ゆえに孤独を免れ、家族のために孤独になる。(中略)つまり家族は、絶望であって希望である。人間がそうであるように。
P10-P11


あと、宮崎駿のアニメに登場する女性はみんな働き者だという指摘に激しく頷いた。

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ジョーゼフ キャンベル ビル モイヤーズ
早川書房
売り上げランキング: 3174

世界各国にある神話を総合的に読み解き、そこにある共通性などから全体でひとつの神話であるかのように捉える。世界とは何か、人間とは何か、生きるとは何か。どんな質問にも世界中の神話から最適なものを引用しそこから答えを導きだすのは見事だ。多様化して分断された世界をひとつにする価値観として興味深いが、これ自体がひとつの宗教・信仰のようでもある。対談の中では世界中の神話が大量に紹介されている。「ビシュヌーは眠っている神であり、その夢が宇宙なのです」というインドの神のあまりのスケールの大きさに惚れた。

心にトゲ刺す200の花束 究極のペシミズム箴言集 (祥伝社黄金文庫)
エリック マーカス 翻訳 島村浩子
祥伝社
売り上げランキング: 132771

悲観的で冷笑的で悪意に満ちた名言ばかり。ポジティブな言葉よりも、よほど癒されるのは僕の性格が歪んでいるからだろう。「人生では癪に障ることがつぎつぎ起こるわけではありません。癪に障る同じことが繰り返し起こるのです。」「頭がよすぎて政治にたずさわらない者は、罰として自分よりも頭の悪い人間に統治されることになる。」「毎月、ほんの少し貯金をしよう。一年の終わりに、あなたはお金が本当に少ししか貯まっていないことに驚くはずだ」