『船に乗れ!』 藤谷治/ジャイブ | 砂場

砂場

本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

船に乗れ!〈1〉合奏と協奏
藤谷 治
ジャイブ
売り上げランキング: 997

船に乗れ!(2) 独奏
船に乗れ!(2) 独奏
posted with amazlet at 10.03.04
藤谷 治
ジャイブ
売り上げランキング: 2754

船に乗れ! (3)
船に乗れ! (3)
posted with amazlet at 10.03.04
藤谷 治
ジャイブ
売り上げランキング: 2371

音楽一家に生まれたチェリストの少年が主人公。爽やかさを前面に押し出した青春小説として素晴らしい前半と、急転直下して若さゆえの過ちと苦悩を綴った切実な後半。そして全編に渡って鳴り響く音楽。そのメロディは祝福であり、審判でもあった。喜びと、悲しみと、希望と、絶望と、全てが音楽とともにある。

この小説を思い返すたび、いろんな想いが駆け巡りうまく言葉にならない。読み終えてからもうだいぶ時間がたつのに、いまだ余韻の中にいるような気がする。誰かが「小説とは読者から言葉を奪うものだ」と言っていた。僕は小説を読んだのだなと思う。