アンビエント・ドライヴァー THE AMBIENT DRIVER (マーブルブックス)
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細野 晴臣
マーブルトロン
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エッセイ集。細野さんが日々思うことを綴った内容だが、全体を通してアンビエントとネイティブ・アメリカンがキーワードになる。
前回読んだ『分福茶釜』では唐突に飲尿療法の素晴らしさを語りだして僕の度肝を抜いたが、今回も横尾忠則氏といっしょにUFOをみた話がでてくるなど、おちおち寝転がって読んでいられない。宇宙人らしき謎の人物を目撃して友人に聞いたら「あの人は仏陀だ」と言っていた、というくだりは目を疑って数回読み直した。
といっても内容のほとんどは音楽がらみの話で、アンビエント音楽から、ネイティブ・アメリカンの思想に繋げて、そこから自分を見つめなおすというもの。アンビエントというと僕の中では、ゆったりしたテクノみたいなイメージだったが、どうやらもっとライフスタイルに直結したジャンルのようで「ロックな生き方」みたいに「アンビエントな生き方」があるようだ。
『レイム・ディアー』を書いたネイティブ・アメリカンはなじみの木の所に行って過ごすのが、自分にとっての特別で、豊かな時間だと書いていた。木に抱きつくのかと思ったら、木に背中を当てて二、三時間過ごすのだという。僕も木と一緒に過ごすのなら、抱きつくよりも寄りかかっていたいなぁと思う。正面で向き合うのとは違う、背後の感覚というものを忘れてはいけないような気がしている。P45
僕は基本的にスピリチュアルブームには違和感を覚えているけど、この引用部分はいいなと思った。何かの教えを説くのではなく、その理想と現実の距離に戸惑いながら、自分の居場所を確かめていく姿勢。そんな生きている言葉が、巷の自己啓発書なんかより、すっと胸に入ってくる。
