日本ファンタジーノベル大賞受賞作。『夜は短し歩けよ乙女』が本屋大賞2位となり新刊『新釈走れメロス』も人気の通称・モリミーのデビュー作。元カノをストーカーまがいにつけまわす主人公とクリスマスを心の底から憎む友人たちの、悲しくも馬鹿馬鹿しく、妄想だらけでダメ男たちが京都の街を這いずり回るという、まことに愛すべき傑作小説となっている。
先に『夜は短し歩けを乙女』を読んでいると、そこはかとなく似ている部分がある。太陽の塔の魅力に取り付かれる不思議系の元カノは『夜は短し』のヒロインに似ているし、その周りをウロウロしている主人公の性格や口調も『夜は短し』の主人公と同じ匂いがする。『夜は短し』がエンターテイメント小説としての完成度が高いのに対して、こちらは妄想ダメ男度が高めのために、物語は進んでいくごとに混沌さを増していく。結末に向かって収束するのではなく、結末に向かって肥大化していき爆発して終わるような、なんだかよくわからない展開が魅力的だ。
面白い小説を読んだという満足度は『夜も短し』の方が上だと思うが、もう一度読み返したいと思うのは『太陽の塔』かも知れない。
★★★★★
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