半額でも嬉しくない古本屋 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

地元の友人と飲みにいくために待ち合わせ。少し時間があったので、いつもの古本屋に立ち寄る。町の小さな古本屋。学生時代に僕が読んだ本の大半はここで買ったものだ。新刊書店の質よりも古本の数を選んだ読書生活。僕はあの頃と変わらぬ足取りで棚をチェックして、店をでる。

最近はブックオフの100円棚で本を買うので、この店の値段設定は高く思えた。定価の半額から3分の1程度。店先の100円ワゴンは色あせたボロボロの本ばかり。昔に比べると、この古本屋で本を買うことも少なくなった。

待ち合わせの場所へ向かうため、自転車にまたがって、顔を上げたとき張り紙が見えた。「閉店セール50%~80%OFF」。あわてて、自転車の鍵を抜き、店内へ戻る。棚を見渡す。さっきは高いと思って手を出さなかった本を1冊持ってレジへと行く。

今まで店番の人に声などかけたことがない僕だが、「閉店セールですので、50%オフになります」と言われ、今回ばかりは「閉店なんですね」とつい話しかけてしまった。「はい。来週からは80%オフになります」と店番の女性が笑顔で言う。言葉を探しながらもアドリブのきかない僕は「そうですか」と答えて、お釣りを貰い店をでた。

バイトもあまりせず小遣いが少なかった僕が、絶え間なく本を読むことができたのは、通学途中に気軽に立ち寄れる古本屋がここにあったから。本が好きで、ここで沢山の本を買って読んで、さらに本が好きになって、だから、今、僕は書店で働いています。そんな事を伝えたかった気がする。


本日の購入本 500円の50%OFFで250円
米澤 穂信
さよなら妖精