- ボリス ヴィアン, Boris Vian, 曽根 元吉
- 日々の泡
読み始めて数十ページ。この文体は昔読んだ作家に似てるなと思った。これは『心臓抜き』の人と同じだ。あれは誰が書いたのだっけ、と考えたら、同じボリス・ヴァインだった。大丈夫なのか。これは忘れっぽいというレベルなのか。『心臓抜き』は忘れてはいけない、僕の読書人生では重要な作品なのに。
というのも、この『心臓抜き』を読んで、僕の小説観は確実に変わった。学生の頃からそれなりに小説を読んできた僕は、小説とはこうあるべきだという基準ができていた。その基準に対する減点方式で読む読書。不満や不平ばかりが並んでいく読書。
だが、そんなつまらない物をぶち壊したのが『心臓抜き』だった。小説とはこんなに好き勝手に書いていいのかという衝撃。『心臓抜き』を読み終え、僕は小説を減点方式で読むことをやめた。
- ボリス ヴィアン, Boris Vian, 滝田 文彦
- 心臓抜き