『プチ哲学』佐藤雅彦/マガジンハウス | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

佐藤 雅彦
プチ哲学

佐藤雅彦氏は、CM「ドンタコス」「スコーン」「ポリンキー」「カローラⅡにのって」、ゲーム「IQ」、「だんご3兄弟」「ピタゴラスイッチ」などを手がけたメディアクリエイター&慶応義塾大学教授。このジャンルではカリスマだろう。

本書はそんな佐藤氏のイラストの漫画にちょっとした説明が書かれている。例えば凛々しい顔のトイレットペーパー君がいるが、隣のページではやせ細ったお爺ちゃんになっている。一瞬で年を取ってしまったと嘆くが、役に立った量で考えると長生きしたトイレットペーパーとも変らない。トイレットペーパーの世界では時間ではなく量に価値を置くこともできる。価値をはかるものさしはいろいろあって、あながたどれを選ぶのかが大切だと書かれている。こんな風なプチ哲学が31話。気軽に読んで、気になるものがあったら少し深く考えて見ましょうという本だ。

海にいる二匹の魚の恋人と、二人が水槽に入った状態を比べて「不変」について考える。川に仲間を突き落とすカエルのイラストと、それを少し遠くからみたイラストを並べて(実は木からリンゴが落ちてきている)「枠組み」を考える。殴られ怪我だらけのサンドバック氏が地面に降りたら殴られないかもと思ってやってみたら、今度は蹴られてしまった。このことから、道具自体がこう使って欲しいと働きかける力「アフォーダンス」を学んでみたり。

少しだけ深く考えてみる。イラストから思いを巡らすといった感じで、パラパラと読んでいて「ふーん」とか「へー」と思っている自分に気づく。よい本だ。アフォーダンスがある。