- 絲山 秋子
- ニート
短編集。タイトルからして、これは読んでおかなくてはと思ったが、ニートというよりは「ヒモ的なダメ男」といった様子。そして、そんな男に引かれる主人公の女性が「ニート」、と続編の「二+一」で描かれている。『ベル・エポック』『へたれ』『愛なんかいらねー』。全体として、ダメ男ばかりが目立つ。
主人公の女性は自分もかつては仕事をしていないニートな時期があったこともあり、共感や友情、恋愛、などが入り混じった感情をダメ男におぼえる。そして「ニート」ではお金を援助して、「二+一」では自分の部屋で養う。『袋小路の男』でもいわゆる恋愛関係とは呼びづらいが、強烈に結びつき合った男女関係を描いていた。恋愛感情とは少し違う、その微妙な関係は絲山秋子の真骨頂。
それぞれの世界が自己完結しているあたりが「ニート」ということだろう。
それにしても表紙がかっこいい。ウォルフガング・ティルマンス というドイツ出身のアーティストらしい。