『100回泣くこと』中村航/小学館 | 砂場

砂場

本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

中村 航
100回泣くこと

読みやすく、やさしくて暖かみのある文章。世界が彼らを祝福しているように思えた。静かに幸せが二人を包み込む。同じ世界にいて、同じ時間を過ごし、同じ未来を見ていた。主人公というよりはこの二人の世界に感情移入をして読み進めた。そんな世界がゆるやかに描かれる。そして、婚約者は重い病気にかかる。実生活の僕も婚約期間中だったから、読んでいて厳しいものがあったのは確かだが、それでもこの本が素晴らしいことに変わりはない。幸せな記憶が多いから、その数だけ涙がこぼれる。


風が吹いて、愛が残った。

交際3年。求婚済み。年の差なし。
ここが世界の頂点だと思っていた。
こんな生活がずっと続くんだと思っていた――。


(単行本帯より)