『その日のまえに』重松清/文芸春秋 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

重松 清
その日のまえに

連作短編集。テーマは「死」。


1話目「ひこうき雲」では嫌われ者のクラスメイトが入院する病院へと見舞いにいく小学生たちが登場する。2話目は夫を亡くし、ひとりで娘を育てた教師と教え子の話「朝日のあたる家」。「潮騒」は癌を宣告された中年の男性が子供の頃に同級生が無くなった海辺のある町へと行く。「ヒア・カムズ・サン」は母親がガンの可能性があると知った高校生の息子が主人公。後半の3編では両親と息子二人の家族、母親がガンと宣告される「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」。


涙を堪えるのが大変だった。どうして電車のなかで読んでしまったのか。生きるとは、死ぬとは、幸せとはなんなのか。そんなことが描かれた物語たち。だが、その答えはどこにも書かれていない。僕の読解力が無いから読み取れなかったのかも知れない。ただ、僕に分かるのは「昨日」があり「今日」があって「明日」があり、そのどれもがかけがえのないものだという事だけだ。それだけは、忘れないでおこう。


追記

電車で重松清は読んではいけないというのも忘れないでおく。