7月中旬発売の文庫 | 砂場

砂場

本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

今回は厳選3冊。


ロバート・マキャモン, 二宮 磬
少年時代 (上)
ロバート・マキャモン, 二宮 磬
少年時代 (下)

誰もが心ふるわせた不朽の名作がふたたび!
きらめく少年時代が今、鮮やかによみがえる


12歳、なにもかもがきらめいて見えていたあのころ……アメリカ南部の田舎町で暮らす空想好きの少年コーリーはある朝、父とともに不可思議な殺人事件を目撃してしまう。そこからコーリーの冒険に満ちた一年間が始まった! 底なしの湖に車と共に沈んだ無惨な死体は誰なのか? 悪夢にうなされる父はしだいにやつれてゆき、コーリーは現場に残された緑の羽根を手かがりに、謎解きをはじめる。その過程で友や愛犬と体験する忘れ得ぬ体験の数々。


誰もが子どものころに持っていながらも、大人になって忘れてしまった魔法を信じる心をよみがえらせ、世界中の読書好きを夢中にさせた珠玉の名作!(出版社紹介文)


本書はマキャモン版『スタンド・バイ・ミー』と呼ばれているが、本家が色褪せてしまうほどの大傑作。僕がこの本を読んだのは10年近く前になるとおもうが、その年のベスト1は圧勝で本書だった。


文春文庫が品切れ絶版状態で、こんな名作を何事だと思っていたらところ、ヴィレッジブックスから移籍発売。僕としては文春文庫の藤田新策氏の装丁が好きなのだが、この装丁もなかなかいい。欲を言えば新潮文庫への移籍で、夏の100冊入りすれば完璧だったのだが。


本書の池上冬樹氏の解説のなかで、「少年時代だけを置いている本屋」があってもいいなという話が書かれていたが、読んでいて思わず何度も頷いてしまった。世界中で発売され、様々な言語で翻訳された少年時代だけが並んだ書店とは、想像するだけでワクワクする。



栗田 有起
ハミザベス

いしいしんじ(解説)、江國香織、小川洋子、角田光代、柴田元幸(五十音順・敬称略)
私たち、栗田有起作品に夢中です。

はたちの誕生日を前に、死んだと思っていた父が本当に死んだらしい。マンションを一部屋とハムスターを遺産として受け取った、まちる。母と暮した家を出て、地上33階で静かに重ねる日常。元恋人の幼なじみや、父の同居人だった女性との不思議な関係と友情……。不器用なやさしさをユーモアでくるみ、流れる会話でつむぐ、新しい小説世界。第26回すばる文学賞受賞作の表題作ほか『豆姉妹』収録。(出版社紹介文)


注目の若手作家デビュー作。。推薦人たちが超豪華メンバーだ。これは本好きには無視できない…。そして、僕はずっと「ハサミベス」だと思っていた。どうりでアマゾンで検索してもでてこないはずだ。



古処 誠二
ルール

福井晴敏氏 絶賛
「人を人たらしめるルールとはなにか。人であることにこだわり続けた者たちの慟哭に、今こそ耳を傾けて下さい」
極限状況に置かれた人間の姿を描く、衝撃の戦争小説。

太平洋戦争末期、フィリピン・ルソン島の日本軍は飢えていた。鳴神中尉は、敗残兵を集めた部隊に着任する。与えられた任務はゲリラが出没する山岳地帯での物資輸送だった。マラリアと滋養不足に苦しむ兵を指揮し、鳴神は一歩ごとに人の限界点へ近づいていく。やがて彼の前に、ひとりの米軍パイロットが落下傘降下した──。ルールに生かされ、ルールに殺された人々を描いた古処戦争小説第一弾。(出版社紹介文)


メフィスト賞作家の古処誠二による「若い世代のための若い世代による」新しい戦記文学。ミステリ系のメフィスト賞だが多彩な人材を輩出している。

コミック『夕凪の街桜の国』が現代の視点から原爆を描き絶賛され、『となり町戦争』はリアリティの無い戦争という、今の若者にとってのリアルな戦争を描いて話題となった。戦争を知らない世代の描く戦争というのは今後も注目されていくジャンルのひとつだ。


関連書籍


スティーヴン・キング, Stephen King, 山田 順子
スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編  
こうの 史代
夕凪の街桜の国  
三崎 亜記
となり町戦争