第133回直木賞&芥川賞決定! | 砂場

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朱川 湊人
花まんま

朱川湊人はデビュー以来注目していた作家だけに嬉しい受賞。「フクロウ男」(『都市伝説セピア』収録)がオール読物推理小説新人賞受賞でデビュー。これも直木賞候補になった。『白い部屋で月の歌を』で日本ホラー小説大賞短編賞受賞。

角川ホラー大賞系の作家で直木賞を受賞したのは初だ。鈴木光司も岩井志摩子も貴志祐介も直木賞は受賞していない。ここまでホラー色の強い作家が直木賞を受賞したのは、ホラー小説ファンの僕としては嬉しいかぎりだ。せつない系ホラーと言われる『白い部屋で月の歌を』など独特の作風はホラー小説界でも貴重な存在だ。(ちなみに文庫に収録されている選評で荒俣宏大先生がネタばれをしているので、けっして先に読まないように。)

デビュー当時から短編の完成度は新人離れしていると言われ、『都市伝説セピア』は短編小説好きにはたまらないだろう。唯一の長編である『さよならの空』はいまいちなので、短編作家としてがんばって欲しい。ちなみに「フクロウ男」はここ数年で僕が読んだ短編のなかでもっとも好きな作品だ。

芥川賞は中村文則『土の中の子供』。児童虐待から立ち直る話らしい。重そうだ。読めるかな。


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