
著者: 山田 昌弘
タイトル: 希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く
ここ1か月で雑誌や新聞で最も紹介された話題の本。ビジネス書の強い書店では売り上げランキング上位に入っているようだ。著者は『パラサイト・シングル』という言葉を生み出した山田昌弘。
職業・家庭・教育、そのすべてが不安定化しているリスク社会日本。「勝ち組」と「負け組」の格差が、いやおうなく拡大するなかで、「努力は報われない」と感じた人々から「希望」が消滅していく。将来に希望がもてる人と、将来に絶望している人の分裂、これが「希望格差社会」である。
BOOKデータベースより
「負け犬ブーム」によって加速された「勝ち組or負け組」論。雑誌はこぞって特集を組み、勝ち組と負け組みの線引きを行ってきたが、本書は「負け組」を生みだす現在の日本の社会システムについて論じている。選択の自由を許された社会では、「負け組」に入り込んでしまった理由は、個人の能力の欠如という言い訳のできない状況へと集約されていく。そして「負け組」から希望を奪い去ってゆく現在の社会システムにより、個人の希望の格差が広がり確定し、絶望を生む。
現在の状況で勝ち負けを決めるだけでなく、「勝ち組」=「夢(希望)に向かって歩んで行く人」であり、「負け組み」=「夢(希望)を失い、立ち止まった人」という個人のベクトルによる分類は、今までの単純な「勝ち組or負け組」論より一歩踏み込んでいて、なかなか興味深い。
『パラサイト・シングル』というのも絶妙だったが、『希望格差社会』というのも見事な造語だ。山田昌弘はなかなかネーミングセンスがあるようで。このまま売れ続けたら、今年の流行語大賞も狙えるかな。