お山の妄想のお話です。




今日はValentine♡

Valentineなんですよ♡


バレンタインは司祭ウァレンティヌスが処刑

された日。

ローマ帝国の皇帝によって結婚を禁止された

若者達を可哀相に思い、内緒で結婚式を執り

行っていたのがウァレンティヌス。

それが皇帝にバレて再三止めるように言われ

るが、それを無視した結果厳罰が下されたん

だ。

彼の処刑後2月14日は国民がお祈りする日と

なった。


バレンタインに女性から男性にチョコレート

を贈るのは日本ならではの行事。

世界ではカードやお菓子なんかを家族や恋人

友人なんかに送る日なんだ。


日本人の俺は勿論恋人にチョコを贈る。

俺は女性じゃないけど別に問題があるとは感

じていない。

愛する人に贈る…それに意味があるんだから。




仕事の帰りに有名なパティシエの店に寄り、

自分で食べるのなら絶対買わないと思うお高

いチョコを買い込んだ。

それもスイーツ部の部長をするほどの愛しい

人を喜ばせるためだった。


箱を開け中の美しいチョコを見た時、あの人

はどんな表情をするだろう…

キラキラと瞳を輝かせ、艶やかな粒に夢中に

なるかな?


そして、美しい指で一粒摘み小さな口に含む

んだ…

口を開けて、ピンクの舌がお出迎えする…

その光景を思い浮かべると、ワクワクして色

んな部位が元気になるさ。


エレベーターの中を走るなんて無意味な事を

するほど、早く喜ぶ顔が見たかった。



「ただいま♡智君♡」


リビングに入り愛しい人の姿を探すと『お帰

り~』とソファーにゴロンと横になりスマホ

を眺める智君が返事をした。


「翔くん夕飯はすませて来たんだよな?」

「うん。局でお弁当をいただいたよ」

「んじゃ、風呂に入る?」

「風呂より先にあなたに渡す物があるんだ」

「おいらに?何かくれるの?」

「ふふふ、はい、どうぞ」


紙袋からチョコの包みを取り出し智君に手渡

す。


「わっ、これ有名な店のやつじゃん」


智君は素早く丁寧に包みを開き、中のチョコ

達を吟味し始める。やっばり瞳がキラキラし

ていて超可愛い(*≧з≦)


「あなたのために買ってきたんだ」

「おいらの?どうして?」

「どうしてって…今日は2月14日だよ」

「14日……あ!バレンタイン!」


智君は今日が何の日かやっと気づいたみたい


「そう、このチョコはあなたへの贈り物。

俺の愛を受け取ってくれますか?」

「勿論だけど…ごめん、おいら今日がバレン

タインなの忘れてた…」


やっぱり智君はバレンタインを忘れていたよ

うだ。でもそれは想定内。


「だから翔くんにチョコ用意してない…」


すまなそうな下がった眉毛がcuteで、こんな

顔を見たら何でも許してしまうよね。


「そんなのかまわないよ。チョコを貰わなく

てもあなたの愛はいつも感じているから」


そう、あなたの普段の行動から俺は優しく穏

やかな愛に包まれているのを感じている…

だから今さらチョコはいらない。


「ごめんな、明日用意しとく」


所謂『遅れバレンタイン』つーやつね。


「気にしないでいいから」

「でも…」

「俺はあなたがそれを美味しく食べてくれた

ら満足なの」

「マジで?」

「うん。さ、食べてみて?」

「わかった」


智君は箱の中から一粒つまみ上げ、その美し

さを眺め堪能した後パクリと口に入れた。

……やっぱり舌先がお出迎え♡


「美味っ!」

「よかった。ほらもっと食べて」

「うん、今度はこの緑のやつ…ん?ピスタチ

オ味?」

「色んな味があるからね、そのピンクのも食

べてみてよ」

「うん♡」


智君は少食だけど甘い物は別腹みたい、次次

とチョコを含んでいく。

その度に舌が大活躍、口の横についたチョコ

をペロリとした時なんて俺のオレをアレした

後に口の回りの残滓を舐めとってる時みたい

で大興奮だったよね。


「……翔くんも食う?」


あんまりジロジロ見たせいか、俺が食べたい

と勘違いしたようだ。


「俺はいいよ」

「え~」

「あなたへ贈ったんだから、あなたが全部食

べて」

「でもさ~」


困った八の字眉毛再び!萌え!


「どうしてもって言うならキスを下さい」

「ふぁ?」

「今あなたのお口の中はチョコ風味でしょ?

俺はそれで充分…いや、それがいいよ」

「う~っ」


智君はシンキングタイムに突入した、でもね

あなたが出す答えは分かっているよ。


「わかった」


ほらね、俺の筋書き通り。

智君は赤いハート型のチョコを食べると、俺

を手招きした。


キス♡キス♡智君からのキッス♡

それは滅多にないこと、年に数回あるかない

かの貴重な体験♡

これが欲しくて策を練った。


普段はいつも俺からで、『してっ!』って言

っても『やだっ!』と断固拒否や『やだよぅ

恥ずいもん』なんて魂に訴えかけてきてして

くれない。愛する人に無理強いはできないか

ら俺は涙を飲んでいた。


でも今日みたいな特別な日にはして欲しい。

だから練りに練った作戦を実行して、思った

通りの成果をあげた。


嬉しさを隠しきれずニヤニヤしながら近づく

俺の腕を、いきなり智君は力一杯引いた。


「うおっ?!!」


ソファーに引き倒され智君は俺の上に乗り、

ムチュっと唇を合わせてくる。

チョンチョンと舌先でノックされ少し唇を開

くとぬるっと温かいものが咥内に侵入してき

た。


ああ、これはあのcuteな舌だ。

あれが今俺の中でチョコの風味を纏い蠢いて

いる……


甘い甘いキス

俺が欲しかったキス

うん、幸せ♡


うっとりと幸せに浸っていると、段々とキス

が激しくなってきた。

智君もノッてきた?準備OKかな?

なら、このまま次に進みましょうか。


俺の立てた計画は、キスを貰ってお互い気分

が上がった時にそのままあっちになだれ込む

というもの。

よし!ここで体勢を入れ替えて、チョコみた

いに甘いあなたをいただきましょう♡


「うっ!うっ?うう??」


しかし俺の思惑道りにはいかなかった。

どんなに力を入れても体勢は変わらないし、

キスも激しくなってくる。


いや、ちょっと待ってよ!

あんたテクニシャンだな!

なんだかボ~っとしてきた、あれ?これって

酸欠じゃね???


生命の危機を感じて、悪いとは思ったけれど

智君の髪を引っ張り無理やり引き離した。


「ぶふぁ~!!ちょっと殺す気!!」


すると智君は引っ張った髪をものともせず、

妖艶な笑みで言ったんだ。


「なんか、スゲエ興奮しちった。なあ、この

まましよっか?」

「うん♡しよ」


思った通りの展開に気分は上々!

だけど、智君は降りてくれない。今日は下か

ら突き上げられたい気分なのかな?

ホクホクとそんな事を考えていたら、突然爆

弾が投下された。


「よし、んじゃ、今日はおいらが翔くんを食

べるということで」

「   へっ? 」

「バレンタインでチョコくれただろ?」

「う?うん?」

「それって『私を食べて♡』って事だよね」

「んん?」

「だから今日はおいらがヤッちゃう」

「イヤイヤイヤイヤ!!違うから!だったら

『チョコ用意出来なかったから俺を食べて』

もしくは『チョコのお礼に俺をどうぞ』だろ

っ」

「はあ?どうして?翔くんはチョコなくても

構わないって言ったし、チョコのお礼は来月

のホワイトデーだろ?」

「そ、そうだけど」

「だから今日はお前が食べられるの。来月は

たっぷりお返しするからさ」


ホワイトデーのたっぷりなお返し……

凄く惹かれる……

でも、でもでも、やっぱり食べられるのは御

免だ!!


「やだっ!絶対に嫌だ!」

「往生際が悪いな!男らしく覚悟を決めろ」


ジタバタする俺、押さえ込む智君。

どちらかが力尽きるまでの過酷なバトルだっ

た。



バレンタイン、智君からのキスが欲しいがた

めに立てた計画……

途中までは筋書き通りだった…



最終的にどうなったかは、敢えてお知らせい

たしません。


しかし、あのcuteな舌を存分に味わったこと

だけは記述いたします。







いつもこのオチ

昔の話しは忘れたので

同じ様な話があるかも

m(_ _)m








ゆ²さん!小僧が免許所得した(汗)

『信号機』は仮免もいってないのに((爆)

只今免許センター駐車場