お山の妄想のお話です。



『ぶらり』途中下車の旅


途中下車と言っても、俺が『乗った』のは

電車じゃない。

だけど、色々な名所を自慢したいから乗り物

形式で話していく。



まず出発点は『オツムの天辺駅』

金色の髪がフワフワとそよいでいて、まるで

『その者青き衣をまといて金色の野に降り立

つべし』みたいなロケーションだ。


ラン、ラララ、ララ、ラン♪と口ずさみなが

らその金色を越えると短い平地があって、次

に『水鏡の駅』が見えてくる。

そこには二つの美しい瞳があって何時もキラ

キラと輝き潤んでいるんだ。


ずっと見つめていたいスポットだけど、次に

難所が迫っているから先に進もう。


次の駅は『細い顎駅』そこに着くまで少し怖

い思いをする。

形の良い鼻筋を上りきり小さな口をジャンプ

しないといけないから。


間違って落ちて唇に触れてしまったら、この

旅は終わってしまうかもしれない。

それ程薄くてぷるぷるの唇は魅惑的で、舌な

んか入ってしまったら長い時間抜け出せない

だろう。まるで迷宮だ。


急ぐ旅なら誘惑を振り切って進まなければい

けない。


『細い顎駅』の断崖絶壁を垂直に下りると、

これまた細い首があってその途中に俺にはな

い(実際はあるが見えない)喉の仏様を拝みな

がら進む。


窪んだ鎖骨を通りすぎると次の『ニップル駅

』(おっぱい駅ともいう)に辿り着く。

この周辺は見所満載の観光地なんだ。


まず少し戻るが綺麗に窪んだ鎖骨を鑑賞、

あの窪みに酒をそそいだら美味しく頂けそう

だ。しかし本当に美味しいものがここにはある、それは二つの小さな果実。

吸ったり舐めたり齧ったり、どの様に味わっ

てもとっても美味しい。


口でだけじゃなく、指て摘まんで捏ねたり引

っ張ったり指先で弾いたりしても楽しめる。

アミューズメント要素もあるんだ。


あとは、俺のオススメの脇の下。

ここはマニアックな奴なら嵌まってしまう。

脇の匂いをクンクンかいでべろべろ舐めれば

快楽と恥ずかしさで悶える姿が見られるぞ。

その姿は一見の価値ありだ。

え?何が悶えるかって?この路線だよ。


ここはまだ途中駅、まだまだ終点までは遠い

ので名残惜しいが先を進むことにする。


綺麗に割れた腹直筋、所謂シックスパック

の真ん中を途中の穴に落ちないように進む

と(この穴も舐めると楽しいんだけどね)今度

は天辺駅とは違った色のジャングルが現れる

次の『聖巣駅』に到着だ。


ここは神秘の地、気を引き締めないと今度こ

そ旅が終わってしまうぞ。


黒々としたジャングルの向こうには活火山が

控えている。

いや、今は休んでるから休火山かな?

でもひと度活動を始めると逞しく天を仰ぎ

(自分と比べるとちょっとプライドが傷付く)

熱いマグマを噴き出すんだ。


その勇壮な姿をうっとり眺めた(噴き出した

ものを味わうのを忘れずに!)後は、宝探し

が待っている。


そこに隠されているのは二つの袋

中には黄金の宝玉が一つづつ収まっている。

それを探しだし(すぐに見つかるけどね)今後

もよろしくお願いしますと拝んでから更に奥

へと進む。


再奥には、神秘的な洞窟がある。

そこは普段はひっそりと可憐に窄んでいるが

侵入者を察知すると妖しく誘い、それを胎内

へと引摺り込み精力を搾り取るという恐ろし

い場所だ。


俺は何回かこの洞窟に挑み、そして精力を搾

り取られてきた。

小一時間前も果敢に挑み大量に搾り取られた

ばかりだ。

だからほら、指で少し広げるとたらりと中か

ら奪われたものが垂れてくる。


こんなに奪われているのに…

れでも洞窟を目の前にすると俺の心に火が付

くんだ。

どんなに頑張っても搾り取られるなら、逆に

洞窟がいっぱいになるまで注ぎ続けたらどう

だろう?


洞窟から溢れ出る程中を満たせば、俺の勝ち

になるのではないか?

そうだ、この洞窟を攻略できるんだ!



終点まで行きたかったけど、ここで下車して

留まることにする。

なぜかって?

それは俺の今まで『ぶらり』としていたモノ

がぶらりじゃなくなったから。

洞窟に挑むために力が漲ったんだ。


俺の休火山か活火山になったってこと。



まだこの〖大野  智〗線の折り返し駅『足の

指駅』までも辿り着いてはいないけれど、

それは又次の機会に案内しよう。


今はこの『洞窟』のダンジョンを攻略する

方が先決なんだ。



それでは皆さん、次回の〖大野  智〗線復路

の旅をお楽しみに!






「……って、何ブツブツ言いながらおいらの

身体を弄ってんだよ!」

「智君、俺はこのダンジョンを制覇するから

ねっ!」

「はあぁ?何言ってんだ?ダンジョンってな

んだよ。てーか、何故またそいつを入れよう

としてんだ!」

「だからダンジョン攻略制覇のためだよ!」

「意味がわかんねえ!なにそれ、RPG??」

「違うよ『ぶらりが途中下車の旅』!」

「ぶらり"が"って?」

「俺のぶらりが活火山になって噴火寸前って

こと!!マジで噴き出す前に洞窟にINするか

らね」

「ええっ!ちょっとマジでやめろ!押し込も

うとすんなっ」

「無理!俺の火山がやる気を漲らせてる!」

「うわっ、あっ、あっ、ああ~っ」


そうして俺は洞窟に挑み続けたが結局勝敗は

つかなかった。






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