呉服店で、退屈そうに店のディスプレーを眺める子供。
和装の店らしく、
竹の切り株がライトに照らされている。
店のあんちゃんが子供に近寄り、
小さい声でささやく。
『○時になったら竹の中から、かぐや姫出てくるねん』




『もうすぐやん!』
子供は密かに大コーフン。
さっさと用事を済ませた母親にせき立てられ、
竹を振り返りながら店を出ていく子供。
幼い頃の私である。
ファンタジーの住人である子供をからかった店員。
手をひかれて出ていく私を、笑いながら見てたんやろうな。
かるく腹が立つような。
遊び心に拍手したいような。
やられた。
きっと何人もひっかかってるねん。
そろそろ年末。
悪いウソにはひっかからんようにしないと。
事故や火事にも注意や。
