ある日、勧められて参加した、形の講習会で、講師を勤めていた先生の形の動作に心を奪われた。


私が今まで見た、どの形よりも、凄い形だった。


凄いと思うには、いろいろな要素があったのだろうが、4本目の巻き返して面を打つところが 一番印象に残った。突きの動作の起こりっぱなを、しゅるっと巻き返す、その、機会の捉え方が凄いと思った。


初めて、剣道形の、攻めを感じた。


仕太刀は打太刀の動作を待っていない。


溜めているのだ。


三歩出て、左足を引き付けた瞬間には、つくって、攻め終わって、間合いのなかで溜めているんだ。


それも、力みなく、とってもさりげなく。


そんな経験をしたあとで、出稽古先の先生から、一枚のプリントを渡された。


心の修行をしなさい、と。


溜め、について、昔の先生の教えが書いてあった。