竹刀を軽めの三八に変えたことで、私は竹刀の重さよりも長さに苦労していたのだと気づいた。


三八と三九の、約3センチの差は、私にとっては非常に大きいものだった。


竹刀を変えたからと言って、突然右手打ちがなおるわけではないが、稽古のときには、俄然動きやすくなった。


私の体格や筋力では、三九は、思うように扱えるものではなかったのだ。


この竹刀を軽いと感じ続けられるように、筋トレ目的の素振り用に、高校男子用の三八の竹刀も購入した。3センチ短ければ、重くても振りやすかった。


そう、筋トレだ。


軽い竹刀は片手素振りがやりやすい。とにかく左腕に筋力をつけなくては。


しかし、片手素振りをしたあと、両手素振りは右手打ちに戻ってしまう。


ならば、左で握って、右手は開いて柄に添わせて振ってみたらどうだろう。


こんなふうに工夫したり考えたり、試行錯誤をすることが出来るようになったのは、竹刀を変えたからだ。あの先生の勧めのお陰だ。


ようやく、やるべきことがみえてきた。スタートラインに立てたのだ。