2024年下半期、これからどんなカードが組まれるかわからないが、高いレベルで実力が拮抗した(現時点)本年度No.1カード。
説明不要のWBA王者 井岡一翔がIBF王者フェルナンド・マルチネスと統一戦。
2024年上半期に最も評価を上げたであろう井上拓真。
評価を上げたのはジェルウィン・アンカハスに勝ったから。そのアンカハスから王座を奪ったのがマルチネス。見逃せない一戦だ。
初回、開始ゴングと共にマルチネスは突貫。左右フック、アッパーを井岡に見舞う。ラウンド中盤は井岡のボディが有効。統一戦に相応しい激しいスタート。
3ラウンド、マルチネスの左右アッパーが井岡にヒット。井岡の左ボディでマルチネスもやや失速。ラスト10秒、井岡の連打でマルチネスが下がる。
4ラウンド、井岡は前に出るが手が出ない。マルチネスは意外にもアウトボクシングでポイントを奪う。
5ラウンド、セコンドに注意されたのか井岡は手を出しながら前に出る。
6ラウンド、井岡は完全にファイター化。これは良くない展開。ひたすらボディを狙う井岡だが、マルチネスは下がりながら打ち返す。
7ラウンド、マルチネスが再び連打を繰り出し、井岡の顎が上がる。一方、井岡のボディも良い。見栄えはマルチネス、与えたダメージは井岡。
8ラウンド、マルチネスの左アッパーで井岡の顎が上がる。
それにしてもここまで全くクリンチがない。両者共に素晴らしい。
9ラウンド、井岡の貰い方が悪い。顎をよく跳ね上げられる。
10ラウンド、井岡の左ボディがカウンターになってヒット。だがマルチネスは猛連打を放ち印象を良くする。
11ラウンド、このラウンドはマルチネスが大人しい。腹が効いている為か井岡の前進を持て余す。
ラストラウンド、マルチネスの右が優勢。ラスト10秒、派手に打ち合う中、マルチネスが膝を着く。
裁定はスリップ。直後に試合終了。
判定はフルマークを含むユナニマスでマルチネス。
ボディを打つ井岡、顔面を跳ね上げるマルチネス。マルチネスの方が見栄えが良かった。
井岡、これがラストファイトだろうか。
お疲れ様でした。
関東を拠点にしてから、無観客試合以外の試合は全て生観戦した。大晦日が多く、会社の休日だから………と言うのもあるが。
井岡の試合は観客が大人しい事が多いが、この日の両国国技館の井岡コールは凄かった。
試合後、エキサイトマッチで解説されている某元世界王者の方と食事をしたが
「一番、勇気を見せた試合」
と誉めていた。
偉大な王者の最後を見届けられて寂しいけれど………満足だ。両雄に感謝したい。