【中編】利き腕のアッパー | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

少し間が空いたけどこの続き↓
利き腕のアッパーには大きく分けて2種類あると思っている。迎え打つアッパーと攻めるアッパー。
これは体格に依る所がおおきい。対戦相手と同等以上の身長があれば、前に出る相手を迎え打つ形でカウンターのアッパーが打てる。これはダウンシーンを呼び込む事が多い。意外性があり、深く入るからだ。

それに対し極端に背の低い相手のアッパーは別の意味で厄介。一撃で倒す様なパンチは少ない。マイク・タイソンの様にボディを叩いて相手の顎の位置を下げるなら一撃必倒のパンチになる。だが通常、自分より背の高い相手にアッパーを打ってもパンチが伸びきらない。
下手な選手だと上体が反る場合もある。

当たり前だが短躯のボクサーがアッパーを打つ際、距離を詰めなければならない。距離が詰まった所でアッパーを突き上げられたらどうなるか?

相手からすればストレートで突き放せないから接近戦になっている。接近戦ではフックがラビットになりかねず打ちにくい。そして相手はアッパーを突き上げる。

つまり、自分は手が出なくなり、ひたすら相手のアッパーを浴び続ける蟻地獄に陥る。
レオ・ガメスは横沢健二戦でこの戦い方であっさり防衛した。

また、戸高秀樹戦では右アッパーで顎を割り、タイトルを強奪した。

ただし、利き腕のアッパーは諸刃の剣。

偉大なるイベンター・ホリフィールドはジェームス・ダグラスの右アッパーを打つ癖(肩が下がる)を見抜き、見事な右カウンターで沈めた。
利き腕のアッパーを打った後はガードががら空き↑

その一方、ホリフィールドVSリディック・ボウの第三戦、チャンスとばかりに攻めるホリフィールドにボウの右アッパーが炸裂。

短躯のボクサーは当てはまらないが、利き腕のアッパーはストレートの様な美しさ、左フックの様な狂暴さを備えていないが、自らのガードを大きく空ける為、一か八かの魅力を感じる。

そしてその利き腕のアッパーで特筆すべきはサウスポーVSオーソドックス。次回………ではないかもしれないがこれについても触れてみたい。