挑戦者決定戦は報われる? | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

先般、WBASバンタム級1位  亀田3がWBAエリミネーターに勝ちながら2年間もチャンスが来ない………との理由でフェザー級転向を発表した。


胸のWBAのメダルが虚しく感じる。


亀田3が勝ったのはファイナルエリミネーターではなくセミエリミネーター(準決勝)だった………との声もあるがファイナルとセミを明確に区分しているのはIBFだけに思う。

他の3団体はセミエリミネーターと言う指示は基本的に聞かない。王者が指名試合を無視する場合、たまに順番待ちの列に並ばせる為、セミエリミネーターを行う。それでも待ち時間が長くなるだけでもう一度、エリミネーターの指示が出る事は基本的にない。フリオ・セサール・チャベスを守る為、露骨にコンスタンチン・チューにエリミネーターを繰り返した例があるが、後にWBCはチューに謝罪をしている。


IBFもそう。セミエリミネーター(2位決定戦)に勝った選手にファイナルエリミネーター(1位決定戦)を強要する事はない………と思う。挑戦権の順番が遅くなるだけではないだろうか。例を探せばあるかもしれないが………すぐには思い付かない。


仮にセミエリミネーターであったとしても亀田3は2年間も待ったからランキング1位になったのだろう。

エリミネーターに勝ったランキング1位が挑戦を希望しながら実現しない例を日本人では私は知らない。


さて、今回、

「亀田3はアフマダリエフから逃げた」

との論調をよく聞く。多くの人は知らないだろうが毎年総会の度に各階級のエリミネーターが指示される。専門紙ですら詳しくは書かないが、実はエリミネーターの指示通りに実現するのはほんの一部。半分にも満たない。もっと少ない。

それはそうだ。

選手の都合を考えず、統括団体は一方的に対戦指令を出すだけ。誰が興行するのか、報酬の配分はどうするのか、全く無視して対戦指令だけ出す身勝手さ。


実は日本人ボクサーも過去にエリミネーター指示が出ながら出場していないケースは多い。

私も「どうせ実現しない」と思っているのであまり覚えていないが、現役選手だと小浦翼にWBCミニマム級エリミネーター出場の指示が出た事があった様に思う。出場しなかったが逃げたなんて声は無かった。


それはさておき挑戦者決定戦に勝ちウェイティングサークルに入っている日本人ボクサーは下記の通り。


●矢吹正道(IBFライトフライ級)

ただし、IBFなのでセミエリミネーター。つまり順番待ち状態。


●石田匠(WBAバンタム級)

王者  井上拓真が11月に別の相手と防衛戦を行う。石田にチャンスはやってくるだろうか?


●西田凌佑(IBFバンタム級)

これは亀田1が王者 エマヌエル・ロドリゲスに幾ら払えるか次第で日本開催になるかもしれない。


●阿部麗也(IBFフェザー級)

挑戦権を奪ったキコ・マルチネス戦の戦いぶりがプロモーターのお眼鏡に叶わず、海外挑戦になると聞いている。


亀田3の様に挑戦権を反古にされると今後、挑戦者決定戦に出ようとする日本人は少なくなる。

それは即ち世界ランカー対決が観れなくなる、と言う事。

必然的に統括団体の信用(権威)が落ち、観客の興を削ぐ。


亀田3の好き嫌いとこれは別問題。

願わくば上記4人は半年以内にチャンスに恵まれん事を。