【後編】日本ボクシング界とPPV………そしてこれから | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

前回の続き。


アメリカ初のPPVはモハメド・アリVSジョー・フレージャー第三戦。

48年前にPPVを行ったアメリカと違い、日本は「テレビはただで見るもの」の意識が強い。

アメリカだってPPVの普及に時間はかかっただろう。
日本でPPVが普及する頃には既にボクシングは廃れていると思う。

Amazonprime、ABEMATV(prime会員でなければ無料)、U-NEXT、ヒカリテレビ、FODといった有料配信は金額の問題ではなく、ボクシングを選んで見る人は既にボクシングファン。因みに私は全てに加入しているがそれは稀な部類に思う。

やはりボクシングとの出会いが大切。でないとボクシングファンはただでさえ他競技より、平均年齢が高いと言われているのに新しいボクシングファンを取り込まないと縮小する一方。

PPVの先駆者、アメリカでは有料放送のお陰でボクサーの報酬は飛躍的に上がった。一方で見る人は減った。ESPNなら100万件、ショータイムなら50万件の視聴件数で大ヒット。

地上波だと昨年大晦日では井岡VSフランコを1469万7000人の日本人が視聴。桁が違う。

ボクシングに関心を持つきっかけが地上波テレビではない………そんな人は拙blogの読者様の中でも少数派だと思う。

そんな少数派は何を以てボクシングファンになったのか?

大人になってからボクシングに興味を持った人は友人、知人がボクシングをしていたので応援に行った………ではなかろうか?

ジム通いから観戦に興味を示す人もいるかもしれない。しかし、以前から書いている事だがジムに通う練習生、アマチュア選手は実践は好きでも観戦には興味がない人が多かったりする。

一つのアイデアとしてフィクションに力を入れる事。
ボクシング映画、ボクシングドラマ、ボクシングマンガに影響されて、ボクシングを好きになった人もいるかと思う。映画やマンガとコラボでチケットの割引が出来れば良いが………JBCが営利団体ではなく文部科学省の管轄だから難しいかもしれない。

コミッションが無理なら協会(JPBA)が頑張るしかない。
かつて地上波の枠をJPBAが買い取りボクシング放送を行う、と言う案が出された。残念ながら実現しなかったが、今こそ再考すべき時では?

私はネット社会になってもまだ地上波は必要に思う。いつかは不要になるかもしれないがそれは今ではない。今のままではPPV、有料配信が根付く前に日本ボクシング界は終わってしまう。

30年前、WBA.WBC二団体時代に5人の世界王者を同時に抱えた韓国があっと言う間に衰退した。フランスもドイツもボクシング大国と呼ばれた時期があったが、今はイギリスだけが盛り上がっている。

理由は色々、あるだろう。
だが、全国地上波放送が無くなった日本が同じ道を辿らない保証はない。
井岡がフランコに勝てるかはわからないが、もしTBSに切られたのでなければ年末興行で再び地上波に戻る事を願ってやまない。
堤駿人と違いABEMATVと専属契約をしたと言う話を聞かないだけに期待したい。