前回、前々回の続き。
⑤井上拓真
シリーズ?最後を締め括るのは意外かも知れないが井上拓真。
世間様の評価と私自身の評価の乖離。これが読者様に違和感を与える事になっていると記した。
では対戦相手のレベルの高低は?
井上弟の直近3試合の相手は栗原、和氣、古橋。
豪華なラインナップだ。
これを以て「井上弟はハードマッチメーク」と評される。
一方で井上尚弥や井岡一翔が国内上位レベルとばかり試合をしていたら批判を浴びるだろう。
つまり、井上弟は元WBC暫定王者ながら世界のトップレベルではなく、国内のトップレベルとして周囲から評価されている。
私個人としては井上弟を高く評価する反面、田中恒成や中谷潤人程には次代の日本ボクシング界を担う存在とは思っていない。その為、世間様の評価と私の評価は近い。運が良ければ世界王者になれる………位だろうか?
ただし、正王者不在の暫定王座決定戦なんて言う真似はもうやめてほしい。
⑥総括
何度も書いてきたが井岡と井上兄の対戦相手のレベルの高さは日本ボクシング史上でも2トップと言ってもいい。
それでも井上に関しては物足りなさを感じる。
それは高過ぎる評価と過去の言動故に思う。
きっと井上兄………もしくは大橋会長は「強い相手としか戦わない」なんて言った事を後悔していそう。
その強い相手と言うのはポール・バトラーの事なのだろうか?
過去の言動がハードルを上げている。
ボクサーの評価は引退した時になるまで定まらない。多くのボクサーは引退後に評価は下がる。
私自身、井上の事は高く評価しているつもりだ。
だか井岡とは違い、井上は誰が相手でも一度でも負けたら世間の関心と評価は急落するだろう。その時、私は世間様以上に井上を評価しているかもしれない。
ただ、井上の力量とマッチメーク、自身に有利な環境でないと試合をしない今の姿勢では簡単には負けないと思う。皮肉にもそれが井上のマッチメークをつまらなくしている。
逆に言えば一度負ければ冒険をするかもしれない。
井上の身体は元フェザー&Jライト級王者 柴田国明より大きく見える。身長差はあってもワシル・ロマチェンコともそれ程、骨格差はないかもしれない。
負けた後にこそかつての夢、本当の意味でのラスベガスのメインイベンターに近付くかもしれない。
決して敗戦を望んでいる訳ではないのだが。