格差が広がる………そしてそこにある危機 | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

9月上旬、日本が誇る2人のWBO王者が防衛戦を行う 。


先陣は9月1日、WBOSフライ級王者 井岡一翔がフランシスコ・ロドリゲスJrを迎え打つ。



9月11日、中谷潤人はアリゾナでアンヘル・アコスタと対戦。どちらも元世界王者との指名試合。格式高い一戦だ。


井岡は無観客試合になったがこれはTBSも井岡陣営も想定していただろう。予め緊急事態宣言の延長は考慮していたはず。


アメリカやオセアニアが大観衆、ノーマスクで興行をしているのに日本はコロナ対策に大失敗している事を実感する。


ならば昨年のメキシコみたいにテレビ局のスタジオで試合をすればいいのに………と思うが大田区体育館を無駄に借りてもTBS地上波ゴールデンタイムで放送すれぱ十分採算が成り立つのだろう。


ロドリゲスの隔離は3日間+ホテルワンフロア貸切り生活らしい。地上派全国生中継がある事から万に一つでも試合中止は許されないだろう。想像だが井岡陣営も隔離されるのではなかろうか。


昨年の中谷VSマグラモの王座決定戦時よりコロナ禍は酷くなっており、井岡陣営だけ通常の生活は出来ないのでは?

タノンサックを隔離しながら自らは普通のトレーニングを行いコロナに感染した京口の例もある。


もし想像通りならホテル2フロアの貸切。しかもゲート収入はなし。

スポンサーとテレビ局頼みの興行と言える。これが出来るのは日本に3人しかいない。


一方の中谷。

アメリカでアンヘル・アコスタの挑戦を受ける。 

WOWOWで生中継されるが私は複雑な気持ち。


岩佐亮佑、井上尚弥、京口紘人に続き日本人王者の海外防衛戦が増えている。

 

だが井上と京口では海外に赴く理由が違う。井上は日本の(ESPNではない)テレビ局に請われて。 京口はマッチルームと契約したとは言え、国内でピンで世界戦をするのが難しいからだろう。


中谷は明らかに後者。

これまで入札に敗れたり、オプションの関係で日本人世界王者が海外に赴く事はあった。また西岡や井上の様に箔付けの為の海外遠征もある。三浦はよくわからない。


だが中谷や京口はどちらでもない。

実際、メインのオスカル・バルデスですらこの待遇。

ESPN+とあるからテレビ中継ではなく、ネット配信。

日本ボクシング界の未来を担うと言っていい若手No.1の中谷を知っている人はどれだけいるだろうか?
地上波で流れた事があるのは関東ローカルの深夜だけ。明らかに日本では地上波が付かないから海外遠征をせざるを得ない状況になっている。

フライ級の挑戦者を日本に呼べないとは………日本におけるボクシングの低迷は深刻だ。コロナ禍でなくても国内地上波放送は難しかっただろう。

個人的には伊藤、井上弟、寺地のトリプル世界戦の超低視聴率が痛かった様に思う。

以前から書いているが地上波がないと世間様はボクシングに接する機会がない。ネット配信やBS、CSはたまたまボクシングを見て新規のファンになる人を生まない。

井上(と言うより日本のテレビ局)がアメリカ志向、村田が試合をしない今、井岡しか残っていないのが現状。

年齢的に井岡も長くはないかもしれない。
もう国内で世界タイトルマッチを見るのは日本人対決や、調整試合に近い楽な相手との試合だけかもしれない。

人生最大のお楽しみの危機に背筋が寒くなる。