ドキュメント2本 | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

先週、ボクシングに関する二つのドキュメント番外が放送された。どちらも興味深く視聴できたので少し感想を。

⚫世界はTOKYOを目指す

タイの囚人が東京オリンピックを目指す物語。一番の見所は井岡を退けたアムナットのセレブぶり。
フライ級世界王者があんな豪邸に住めるとは………日本とは世界王者の価値が全く違う。井岡戦と鄒市明戦でたんまり儲けたのだろう。

オリンピックにも出場しているとは言え、タイでのVIPぶりに驚いた。まるで昔のカオサイ並の扱いだ。
ただ、物語の主役である囚人(途中で出所)の実力は日本だと………なんとかプロテストに合格できるかもしれない、ってレベル。東京オリンピックの道は険しい。

⚫NHKアナザーストーリー(マイク・タイソン世紀の転落、27年の真実)

特に目新しい話はないが、興味深く視聴できた。メイウェザーやパッキャオがビックマネーを得られるのもタイソンがPay Per Viewを定着させたお陰だろう。

個人的に一番の注目はバスター・ダグラスがトレーナーをしている姿が見れた事。糖尿病で危ない、と言う報道も一時あったので元気そうで一安心。

ドキュメント全体では世紀の番狂わせをタイソンの自滅で片付けている。しかし、それはどうだろう?
確かにあの日のタイソンは別人の様に動きが悪かった。
しかし、ダグラスがベストコンディションに仕上げて一世一代の大仕事をしたのも忘れてはいけない。タイソンの不調は当のダグラスも認める所だが、あの日のダグラスのジャブはアリ、ホームズと言ったヘビー級史上に残る歴代グレートレベル。
連打もヘビー級離れてした回転の速さ。そして何よりも勇敢であった。

1日限定だがあの日のダグラスは強かった。
歴史にifは禁物だが、2月11日のダグラスならばベストのタイソンが相手でも、面白い試合になったはず。
その点に触れなかったのが残念でならない。

ボクシング中継がどんどん減っていく今、ストーリーを掛け合わせたドキュメント番組がボクシングファンを増やしてくれるかもしれない。